星に願いを





※帝光中時代のお話


ねぇねぇ、青峰っち起きて、

いま何時だろう。とっくに0時は過ぎてるはずだ。明日は部活がオフだということで今日は黄瀬の家に泊まっていた。青峰っち起きて、黄瀬の声で目が覚めた。眠い、そして寒い。ああそうだ、俺達はいま素っ裸だった。適当に返事をして寝たフリをする。青峰っち起きて!なんだようるせーな、黄瀬が黙りそうにないので仕方なく起きてやった。

「ねぇ!青峰っち知ってる?今日は双子座流星群が見れる日なんっスよ!流れ星見ようよ!」
…は?星?そんなもののために俺の眠りを妨げやがったのか。 くだらねーと思い、再び眠りにつこうとしたが出来なかった。黄瀬は掛け布団を引きずりながらベランダの方に向かったからだ。素っ裸の俺はそのまま放置かよ。

寒いから黄瀬の後を追った。布団の中にくるまっている黄瀬を後ろから抱きしめる。その瞬間に項に噛みつくと黄瀬の小さな悲鳴が聞こえた。仕返しだバカヤローざまぁみろ。

黄瀬が窓を開け、冷たい風が頬に当たる。12月の風は身にしみる。おぉ、と黄瀬が驚きの声をあげた。この日の夜はとても綺麗な星空だったからだ。

「…流れ星なくね?」
「…う〜ん、もうちょっと待ったら流れ星見えるかも。って青峰っち、乳首触らないで!雰囲気壊さないでほしいっス!」

何をそんなに祈りたくて流れ星を待っているのだろうか。阿呆らしい、それより俺は寝たいんだ。眩しい位に美しい星空を見上げると、シュンッと一つの星が流れるのが見えた。
「あ、流れ星。」
「え、どこっすか!?」
「ほら、あそこらへんで見えたじゃねーか。あ、また見えた。」
「青峰っちだけズルい!どこ………あ!見えた!」
待つのは辛かったけど流れ星を目にするのは俺も初めてなわけで。案外感動するものなのだなと知った。黄瀬は一生懸命願い事をしているようだ。内容を聞いても秘密、と言って決して教えてはくれなかった。

そろそろ起きているのが限界だったため布団に戻った。黄瀬はまだ星が見たいのか窓の向こうを眺めている。
「おい黄瀬、早く寝ろよ。」
「…うん、もうちょっとしたら寝るっス。まだ星を見てたい。」
「あっそ。でもいい加減寝ろよな。明日はバスケがしてー気分なんだよ。ぶっ倒れても知らねーぞ。」

えっ、と言って黄瀬が振り返る。いびきをかいて寝たフリをすれば黄瀬が喜ぶ声が聞こえた。うるせーんだよ馬鹿。時計の針は午前2時を過ぎようとしていた。









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