商売道具





黄瀬は俺の指を触るのが好きらしい。前にそう言ってた。一本一本指を触っているのかと思えば、今度は俺の指と指の間に自分の指を絡めてくる。くすぐったい。すげーヤりたくなっちゃうから止めてほしいけど本人が楽しそうだから何も言えない。

「お前ほんとに俺の手好きだよな。」
「うん。すげー好き。青峰っちの指って長くて、でもゴツゴツしてて男らしいから好きっス。」
「へー…、まあ確かにお前指だけでも気持ちよさそうだもんな。」
「そうじゃなくて!青峰っちほんと変態っス!最低!」
顔を真っ赤にした黄瀬は俺の手の甲の皮をつねりやがった。なんかキャンキャンうるせぇ子犬に噛まれた気分だ。

「でも…青峰っちに触られると緊張するっス。なんつーか、この指でバスケしてるって考えると…緊張するんスよ…。青峰っちの商売道具が俺の中に入ってるって考えると…。」
ぶつぶつと勝手に1人で語り始めた黄瀬は勝手に1人で自爆した。恥ずかしすぎて死にたいらしい。

そんなに俺の指は立派か?自分で見てみても分からない。黄瀬はまた俺の指を使って1人で遊び始めた。
「……俺を無視してんじゃねーよ。」
1人で遊ぶより2人で遊んだ方が楽しいに決まってる。黄瀬の手を強く握ってやると、黄瀬は嬉しそうにして俺に抱きついた。









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