親バカ同士

睨み合う状況が出来て早1時間。
普段は大人しいはずのショックウェーブとブラックアウトが睨み合うなど珍しいことこの上ない。だが周りはその理由がわかっていた。

「ドリラーが一番賢いに決まっている」
「いや、スコルポノックだ」

これだ。つまり親バカ。自分たちのドローンを自慢し合っているだけなのである。
しょうもないことではあるのだが、当人たちからしたら重要なことであり、大切なことらしい。スタースクリームからしたら卵が一番なため気持ちはわからなくもないと静観している。
メガトロンも好きにさせろ、と呆れたようにため息をつき遠くから見ている。つまり止めるもののいない状況であるため睨み合いからさらに悪化していく。

「見ろ、スコルポノックはこんなに大人しく可愛いじゃないか」
「何を言う。ドリラーだって大人しい。それに私の言うことを守り素早く実行する」

どうでもいいだろうと周りはうんざりしているのだが二人はそんなことも気にせずヒートアップしていく。
ついには手足が出た。いくらなんでもそれはやりすぎだろうと思っても止められるものはいない。ブラックアウトはがたいが大きくそれなりに力もあるので困難だが、ショックウェーブはさらに難しい。内勤とはいえメガトロンと互角に戦える相手だ。止めに入るなど無謀すぎる。だがこの状況をどうしたらいいのだろう。

まだ発砲しないだけましなのだが、力的に不利なブラックアウトが倒れてしまいショックウェーブはそれを嘲笑う。

「ふん、私に刃向かうからそうなるんだ」
「くっ…」

悪役よろしくとばかり低い声でそう言うショックウェーブに周りにいたディセプティコンは背筋が凍るような感覚に襲われた。なんだこれは、一体誰だ。こんなショックウェーブ見たことない。穏やかな雰囲気であった相手がこれほどまで変わるとは、親バカおそるべし。

「だが、ドローンに対する愛情は認めてやろう」
「何?」
「こんなにもドローンを大切にする者に初めて会った。賞賛に値する」
「お前…」

そんなに褒めることか?それより早く仕事しろ。バリケードが呟きスタースクリームが愚痴を零す。けどやはり聞こえていないのか二人はいつの間にか意気投合していた。

「メガトロン様どうします?」
「放っておけ」
「わかりました」

結局喧嘩から発展した友情(?)により本日の仕事は滞ったのだが、翌日にはスムーズに流れていったようだ。





親バカ同士
(ドローンは可愛いなブラックアウト)(ああ、そうだなショックウェーブ)





‖後書き‖
何を書きたかったのかわからなくなった
とりあえずこいつらは親バカだ



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -