対等に

※捏造色強め



忠誠を誓ったあの日のこと、よく覚えている。
はじめは何度も歯向かい、何度も反発していた。今ではそれが恥にすら思えてきている。

昔は好きなことを研究していた自分は周りから変人扱いされ、そのストレス発散で軍事訓練をしていたら周りから畏怖され、どこにも自分の居場所がないように思えていた。そこに現れたのがメガトロン、あの方だ。

―ディセプティコンに入れ、貴様のはその素質がある

はじめは戸惑った。
自分があのショックウェーブに成り代わったのを知って日は浅いのにもかかわらずメガトロンがこうして目の前に現れたことにだ。それで、どうしていいのか分からず断った。
自分のことなのに、わからなかった。もしかしたら驚きと興奮が入り交じり冷静な判断を下せなかったからかもしれない。

それから何度も勧誘がきた。
メガトロンだったりサウンドウェーブだったり、挙句の果てはカセットロン全員が押し寄せてきたこともあった。研究中は迷惑でしかなかったが、それ以外はなんとなく(サウンドウェーブのセクハラがなければ)嬉しかった。

入る決め手となったのは…「ショックウェーブ」

「あ…、なんですかメガトロン様」
「なんだ、ではない。何度呼びかけたと思っている」
「え、ああ。すみません、考え事をしていたもので」

通信記録を見ると、確かに二桁に及ぶ呼びかけがあった。なるほど、だからメガトロンが直々に出向いてきたわけか。反省せねば。

「ほう、仕事よりも大事なことか?」
「ええ、まあ。昔を思い出していたので」

昔という単語に反応を見せるもすぐに切り替え、机にデータを置く。

「これは今日中に解析しろ」
「サウンドウェーブの仕事では?」
「他にやらせるものができたからな、お前ならできるだろう」
「了解しました」

出ていくメガトロンの背中を見送ってかた仕事に取り掛かろうとすると通信がはいった。個人回線にきたものを開いてみると思わず笑みが溢れる。

―明日鍛錬に付き合え

短いこんな文でも私を対等に扱っているということがひしひしと伝わってくる。口には出さないのだろうが事実そうなのだ。

「了解、メガトロン」







対等に
(仲間というより友という表現がぴったりだ)





‖後書き‖
つまり、メガ様はショックウェーブにも気を許しているということを言いたかったわけです。
難産だった…



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