「はぁ、今日もマスター大学かよ」
「煩イゾイカレサウンド。帰ッテ来ルノヲ待テナイノカ」
「だって、マスター最近構ってくれないじゃん」
「……確カニ」


最近大学のほうが忙しいようだ。文化祭が近いらしくなかなかこちらに構ってくれない。この前も出し物の衣装代が足りないやら、出店物の在庫がおかしいとか夜中に言っていた気がする。
だが文化祭だとしてもその期間全く歌えないというのは苦痛だ。歌うために存在するサウンドウェーブとブロードキャストにとってそれは死にも値するだろう。そんなのは嫌な2人はどうしてもスタースクリームに自分たちを歌わせようと躍起になる。


後に帰って来たスタースクリームに構ってほしくて、歌わせてほしくて話しかけるが後にしろの一点張り。それでもしつこく話しかければついにキレられた。部屋に閉じこもりこちらの話を一切聞かない状態になり、ブロードキャストはリビングにて落ち込んでいた。



「…スタスクの馬鹿やろー」
「…ソンナニ文化祭ガ大事ナノダロウ」
「でもよぉ、寂しいじゃんか」
「……」



寂しい。確かに寂しいがスタースクリームの邪魔になるのが嫌なサウンドウェーブは仕方ないと割り切っていながらもブロードキャストの言うことには言葉にしないが同意した。でも何をしても邪魔にしかならないためどうすることもできないのだ。ふと頭を上げると目線はキッチンへと注がれる。



「…ナラ、夜食ヲ作レバイイ」
「夜食?」
「マスターハ夜遅クマデ起キテイル。ナラバ夜食グライイイダロウ」
「…ナイスアイデアだ面汚し。さっそくやるか!」



夜食と言っても胃がもたれるような脂っこいのはダメだ。胃に優しいものでお腹が膨れるようなそんな夜食。試行錯誤を脳内で繰り返していきながら、結論はうどんになった。これなら満腹感を味わえ胃にも優しいと判断した。


作るものが決まれば行動は早い。
ブロードキャストが程よい固さに麺をゆで、サウンドウェーブがカツオと昆布のダシを作る。いつもこんなに仲が良かったらいいのにと思うのは割愛である。



「出来タカ」
「もっちろん、完成さ」



麺を器に入れ、ダシをかける。上にはネギとかまぼこ、わかめをトッピングして完成だ。それを持ってこっそりスタースクリームの部屋をのぞく。案の定机に向かって文化祭の会計を頑張っているようだ。
これを渡せば少しは褒めてくれるだろうか。そう期待を持ちながら2人はスタースクリームのもとへ向かった。










構ってマスター



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -