初代スタスク成り代わりマイスター夢(原作知識無の前世は男)









「クソッ」


今日もメガトロンは工場に狙いを定めて物資を調達するつもりだったのだが、どこからか嗅ぎ付けたサイバトロンに邪魔をされてしまった。俺は失敗すると忠告いしたけど黙れの一言で黙殺された、まことに遺憾である。

そして運悪く墜落してしまったのだ。ああ、ついていない。常日頃下剋上とか狙ってたのが悪かったのだろうか?てか、日ごろの行いが悪かったなんて、そんなのデストロンには程遠い言葉だと俺は思うんだが。


「しかし、飛べねぇな」


右翼に被弾したのか、翼はボロボロで風に乗ることが出来ない。
救難信号を送ったのだが、無事送れたか怪しいものだ。というか、腕が痛い。


「墜落したときにぶつけたか」
「それは大変だ、手当てしないとね」
「………」
「待て待て、無言でナルビームを向けるのは止めてくれないかい?」
「条件反射だ。それに敵なら当たり前だろ」
「うん、正論だ」
「てか、んでここにいんだよ…マイスター」


見回りかもしれないが、あえてここは聞き出すことにする。
手か、俺はこいつが嫌いだ。何考えているかわからないしそれに…。


「それで、俺の告白考えてくれたかな?」
「あんなのお断りじゃボケェ!」


そう、こいつはよりによって俺に告白してきやがった!男の!俺に!ねぇよ!
だいたい、敵と付き合ってどうなる。いつ死ぬかわからない相手のことを想うなんて不毛だ。それに男同士だ(大事なことなので2回言います)。


「好きなんだから性別なんて関係ないだろ?」
「うるさい黙れこの変態」
「ずいぶんな言われようだね」


当たり前だこんちくしょう。ああ、誰でもいいから早く迎えに来てほしいものだ。あの陰湿音波でもいいから、早く!


「スタースクリーム」
「んだよ」
「私は本気だからね」
「…はっ?」


本気という言葉に否定の言葉を言おうとしたが、言えなかった。なぜならマイスターが俺の口にキ、キスを…!


「てめぇ!」
「はは、また会おうスタースクリーム」
「誰がっ、クソッ!」


口づけされた自分の口を腕でこすり、不快感で周りに八つ当たりしてしまう。
でも一番不快だったのは相手のキスに嫌じゃないと思っている自分がいることだ。


「…クソッ」


救出に来たスカイワープに掴まりながら、嫌だった相手を許してしまいそうな自分に戸惑いつつデストロンへ帰っていく。


「もう少し、かな」


遠目でマイスターがほくそ笑んでいるとは知らずに。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -