「うう、怖いよぉ」

ボクはスカイワープ。スタースクリームの臆病のクローンで前世の記憶を持っている。でも、持っていてもボクに何も出来ない。だってボクは臆病だから。

今はスタースクリームを裏切ってメガトロン様のところでお世話になってる。裏切るのは嫌だったけどメガトロン様に従わないと後が怖いから…。
それにサンダークラッカーが酷いんだ。今日だって鬱陶しいからって理由で殴ってきたんだよ。ボク、何してないのに…。


「あら、スカイワープじゃない」
「スリップストーム?」
「またサンダークラッカーを怒らせたそうじゃない。飽きないわねぇ」


そんなこと言われても、なにもしていないのに起こられるのは理不尽だ、だけどそう言えないボクはサンダークラッカーのストレス発散にはちょうどいいのだろう。
それにさらに落ち込んでいるとスリップストームが優しく抱きしめてきた。


「へ?」
「たまにはいいでしょ」
「で、でも」
「黙りなさい」
「は、はひ…」


どうしたんだろう。いつもならこんなことしないでウザいと一言言ってどこかへ行くのに。でも抱きしめられるのは嫌いじゃない、むしろ好きだし安心できる。安心しきってスリップストームに抱きしめられていると後頭部に何かが当たり再度涙目になる。


「な、なに?」
「スカイワープ!てめぇ何してやがる!」
「ひっ、サ、サンダークラッカー…ッ」


鬼の形相とはまさにこのこと。何に対して怒っているのかわからないがこちらに向かってくるサンダークラッカーに怯えているとスリップストームがボクをかばうように抱きしめる。不思議に思い顔を上げると優しい笑顔でこちらを見るスリップストリームにこちらも自然と笑顔になる。


「あら、私のスカイワープを苛めないでくれる?」
「なっ、なんだと!?」
「聞こえなかったの?私のスカイワープを苛めないでくれる?」


サンダークラッカーが狼狽えている、ボクの耳はスリップストリームに塞がれているため何を言っているのかよく聞こえない。ふと視線を外せばサンストームとラムジェットが見えた。しかも、こちらに近づいてくる。


「可愛い可愛いスカイワープさんは私のですよ、よいしょっと」
「スカイワープは僕ちんのものじゃないもん、この嘘ほんと」
「な、お前らも!?」


何か言い争ってるけど全く聞こえない。スリップストームの腕の力が強くなって苦しくなってきたとき、不意に体が後ろに引っ張られた。
慌てて後ろを振り向くとボクたちのオリジナル、スタースクリームがいた。


「ちょっと、ずるいわよ!」
「おいしいとこ持っていく気か!」
「さすがスタースクリームさんですねぇ、手早い手口です」
「羨ましくなんかないもん、この嘘ホント」
「うるせぇ、こいつは元から俺様のもんなんだよ」
「???」


どうやらボクのせいで喧嘩しているようだ。どうしてこうなったか分からない、ボクがドジなせいだからだろうか。じわりと涙を浮かべると皆固まってこちらを見てくる。不思議に思って首を傾げたら今度は鼻血を出して倒れていった。












可愛い子ほど苛めたい
(鈍感って罪だ)









‖後書き‖
あもも様、リクエストありがとうございます!
イケメンズ+αの魅力があまり出せませんですみません!


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