つぐつと米を煮込む。ぐずぐずと垂れる鼻を啜った。彼はきっとまだ寝室で寝ているんだろうか。彼は私に会う前にこのあたり一帯を探索したと言っていた。それで何も手がかりを得られずこの家に戻ったのだと。そして、手がかりすら得られず一日一日を過ごす度に死ねば戻れるなんて考えたのだろうか。彼は今国の為に何もできない。進む事も下がる事も出来ない。そう考えれば、彼にしたら今の状況は死んでるも同じなのだろうか。彼の気持ちを考えず怒鳴ったのはだめだったかな、と一人反省する。でも、死のうとするのは間違ってるよね。くるりとおかゆを混ぜた。ぎぃと扉が開いた。重い足取りで佐助さんが顔を出した。慌てて私は駆けより、彼を支えた。

「寝てないとだめじゃないですか!」
「こんなの暫くしたら治る」
「そんなわけ・・・」

彼はそのまま椅子へと足を進めた。押しても動かないので仕方なく、椅子をひき、彼を座らせる。余ったさっきの水をコップに注いで差し出す。恐らく飲まないだろうが、と思っていたが予想外にも彼はコップに口を付けた。私はもっとたくさん作ることにした。

「・・・アンタはどうして俺の面倒をみる訳」
「どうしてって、」
「その男にそっくりだから?」

彼は写真立てに目をやる。写真立てにはいつだったか撮った写メを現像して入れている。その写真は、私も彼も笑っていた。彼が彼に似ているから助けたのかと問われて私は否定できなかった。運命的な何かを感じていている。彼が私のもとに来たのは何かあるんじゃないかなんて。

「・・・否定はできないです」
「じゃあ、まったく違う顔だったら俺様野垂れ死んでた訳だ」

はは、と乾いた笑いを漏らす佐助さん。おかゆがぐつぐつと気泡を浮かべている。

「いえ、きっと助けたと思います。・・・ほら、お金には困ってませんし」

と笑ってみると、佐助さんはそう、とだけ呟いてまた水に口を付けた。



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