誰得シュガシュガルーンとハリポタのクロスオーバー
ホグワーツの歴史上853年ぶりとなる編入生は奇妙な女だった。制服はローブとネクタイだけと勘違いしているのかまともに制服を着ているのを見た試しがないし、杖はどこで買ったのか金色で悪趣味な宝石が散りばめられている。そして、八重歯で釣り目でまるで魔法生物のように耳はとんがっている。僕の知るどの純血にも似付かない、が彼女には魔族という言葉がぴったりな様な気がするのは気のせいだろうか。
「アグランディスマン!」
女の朗々とした声が大広間を支配する。
「シュガシュガルーンラズルーン」
女の手の中でくるくると真っ赤な玉の付いた金色の杖が回る。女、ラズベリー・カルツェニアが不敵に笑う。杖が振り上げられ、赤の宝石が彼女の頭上で輝く。
「貴方のハート私にちょうだいな!」
その瞬間、あちらこちらで煌めきが起こる。色とりどりの流星が彼女のもとへと飛んでゆく。僕は思わず目を見開いた。こんな魔法どんな本にだって書いてはいなかった。年甲斐もなく御伽噺のような魔法だな、なんてありきたりな感想を抱いた。彼女の首元にぶら下がっている大きな、見事なほど赤いカーネリアンのペンダントが次々と飲み込んでゆく。
とまあ、こんな感じでリドル目線でリドルが絆されていく感じの話。ただし続かない。
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