君のその手を | ナノ


▼ 苦手に恐怖がある私

「なんだよ」
「テメーこそなんだよ!」

カラスは自分の隣から移動し、視線を感じチラリと隣を見ればうずまきナルトにガン見されていた。サスケはカラスがいきなり隣にいなくなった苛々とガン見されていた苛々を言葉に込めた、結果自分でも内心驚くくらい低い声になっていた。

「サスケくぅん、隣いい!?」
「グォ!!」

サスケはそんな声など聞こえてないかのように無視。むしろサクラの一方的に話しているだけかもしれない。サクラはどんどんサスケに近づいていく。今のサクラの目はハートマークだ。

「シカー…」
「うぉ!…て、何してんだよお前は」

めんどくせー、とぶつぶつ言いながら不貞腐れた顔をしているのは、まだ顔見知りである奈良シカマル、その隣にはお菓子を食べる秋道チョウジが座っていた。

「…匿って」
「匿えって、お前サスケは―…」

シカマルはサスケを見れば、納得したように顔をひきつらせて、次第に溜め息を吐いた。隣にサクラがいる、シカマルとチョウジはカラスがサクラが苦手と言うことを唯一知っている存在。それは前にも何度かこんなことがある度に来ていたからだ。だからと言ってこの三人はそこまで親しくはない。

「相変わらずカラスはサクラが苦手なんだね」
「…怖い」
「まあ、サスケのこととなると女子は怖ェしな」

こくりこくりと頷くカラスに、チョウジは苦笑いをしながら食べているお菓子をカラスの方に手を伸ばし差し出す。カラスはたじたじになりながら少しお菓子を拝借して口に運んだ。

「とりあえず座れよ」
「ありがと…」

一個ずらした席にカタリ、とシカマルの隣に座れば、見てはいけないような光景が目に入った。

サスケのファーストキスはナルトか。

カラスは隣にいなくて良かったと安堵の息を吐いた。

( てめ…、ナルト!殺すぞ!! )
( ぐぉおォォ!口が腐るゥウー!! )
( サスケ、御愁傷様 )

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