太陽が罪を暴く光であるというのなら、あたしたちの頭上に昇る前に欠けて、消えてしまえばいいのにと、自分勝手な感情が物を言った。

寄り添う二人の影が本体に戻ってゆく。じりじりと身を焦がす感覚にぞわりと背筋が震えた。口付けの味に背徳を濁す理由を知りもしないで私は彼とひとつになって溶けて、消えてしまいたいと願っている。それ自体許されない行為だということは重々承知しているというのに。けれど怯えるだけの、引き裂かれるだけの未来はいらないと、そう思うようになってから私はすべてを否定することを覚るようになって。

(どうか奪ってゆかないで。)

あなたの身を焼くこともないように、あなたの体温を奪ってゆかないように必死にその身体を抱き締めている。
空を支配するあの光が、あたしたちの身を焦がすだけならば、たとえこの身が滅ぶことになっても要らないと思考回路が溶けた頭で思った。


隠 す

(あの身を焼く太陽から、あなたを隠してしまえたらいいのに。そうしたら、)



end

2015/04/10


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