ねえ。死んじゃう。
頭ん中で声がきこえる。
だから本能のままに、神楽の身体を引き寄せて顔を寄せた。何時もみたいに憎まれ口も、暴力も飛んで来ないところをみると、受け入れているのか、それとも。
ねえ、おんなじことを考えていた?
考えることおんなじだったでしょ?
同じ寂しがり屋という種族であるという前に、同じ血が流れている兄妹なんだから。
だからさあ。わかるでしょ。
「…押し付けてくんなヨ。」
「そうだね。これは俺の我が儘。」
それでもお前はちゃんと、受け入れてくれること知ってるから。だからもっと我が儘いいたくなるんだよ。
ねえ、俺の欲をもっと受け入れてよ。
とっておきのを、さ。
唇と唇が触れあう瞬間、まだまだ死なないで済むかな、なんて思った。
寂 し が る
(でもさ、あんまり無抵抗なのも良くないよ。)
end
2018/06/20