何を悩んでいるのかしらないけど、私の思いは今も昔もかわらない。
その言葉に安堵するような、落胆するようなエレンの顔。そういう表情が私を駆り立たせる。愛おしいと想う。
「そう言えば、私はエレンの気持ちを聞いていない。」
エレンの気持ちなどどうでもよかった。今までは。けれど今回は違う。私の中に踏み込んだのがエレンの方だったから。私は私の感情を知るためにも、彼の言葉が必要な気がして。
「おまえの想う感情と俺のおまえに対する感情はきっと違う。」
「そうであるならば、尚更聞かせて欲しい。」
少しためらった後、みるみる赤くなる顔で、聞き逃してしまいそうなほどの声で。
「 、」
ぶっきらぼうに放たれた言葉。こうして、エレンの気持ちを聞くのは初めてで正直少し驚いた。
けれど、次に感じたのは確信。
「なんだ、私と一緒だった。」
かわらない気持ち。家族として、けれどそれを越える感情を私は知らずに。父と母がそうしたように、愛しいと想うがまま、彼の肩に顔を埋めた。エレンがその言葉を口にして、確信した感情の意味に耳をすました。
想 う
激しくのた打つ鼓動が、なによりの証明。
end
2015/05/28