「ゆめ、パパが泣いてるところ見たことない」
「そうだな、パパは大人だからな」
「でもママはテレビとか見てよく泣くよね」
「そうね、ママは女の子だから」
「ふーん」
「泣くことはダメなことじゃないけど、涙を武器にする大人になっちゃダメよ」
「ぶき?なんかよくわかんない!」
「いいのいいの。大人になったらわかるから」
「ママはパパが泣いてるところ見たことある?」
「2回だけね」
「え!パパって2回しか泣いたことないの?」
「ううん。いっぱい泣いてると思うけどね、ママの前では泣かないんだって」
「じゃあどんな時に泣くの?」
「1回目は甲子園で優勝した時よ」
「こーしえん?」
「そう、パパたちは野球で1番になったの」
「2回目は…、一也覚えてる?」
「ああ。ゆめが産まれた時だよ」
「えっ?あたしが?」
「パパもママもゆめが産まれてきてくれて幸せいっぱいだったの。だから2人で泣いちゃったのよ」
「ゆめもパパとママの子どもで幸せ!」
「やだ、ゆめったら嬉しいこと言ってくれるわね」
「ママまた泣いてる!」
うれし泣き
ありがとう
この幸せ、いつまでも
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