語録



◆アクアリア(Aqualia)

国土の殆どが海、もしくは湖で占められているワールド。
海上交通と貿易に長け、多くの海運会社を持つが、関所をセントラルが押さえているので従わざるを得ない。
都市部は比較的安全で催事も多いため観光に向くが、海上には海賊が横行しており危険。
近々セントラルとアクアリアの共同政策で、海賊殲滅作戦が行われる予定。
貿易船はほぼ100%海賊に襲撃されるので、生産・輸入を2〜4割増で行うなど商業には強か。


◆エストランド(Estland)

無法地帯、文明後進国とも言われ、周りのワールドと比べると経済的立場は低い。
全ワールド中最大の領土を持つが、整備は行き届いておらず、国土の殆どは荒野である。
その荒野の中でも比較的豊かな土地に町が出来る。
エストランド政府の力はもともと弱く、今やセントラルに完全に牛耳られている状態。
また政府役員とシェリフ(保安官)を除き、住民の大半が身分証を持っていない。
これは定住の習慣がないこと、所得が低いことなどの理由からセントラルが規定する基準を満たせないためだが、実際は反政府活動者らを容易に圧迫出来るようにというセントラル側の思惑である。
エストランドの住民の多くはガンマンや賞金稼ぎといった無法者で、町を築いて定住する者は少なく、また店を持つ者も築いた町が衰え始めると店を畳んで放浪してしまう。
町には必ず盛り場、酒場、宿屋があり、表向きは合法商売を行っているが、地下室などを利用して賭博場などの非合法商売も営んでいるのが殆ど。
荒野にはジプシーの集団があちこちに散らばっており、彼らの中には口伝により古代の知識を伝え知っている者も居るとか。


◆エディゼーラ(Edizela)

緩やかで独特の文化を持つワールド。経済は若干不安定で、貧困層と富裕層間に開きが見られる。閉鎖的な政策を長らく行っており、住民は他ワールドの存在を知らなかった。
しかし最近は資金融資を条件にセントラルとのみ交易を開始したため、物品流通も多少あるらしい。
国土内にシェイディアという隠れ里があるが、住民は存在を知らされていない。


◆海賊(Pirates of Aqualia)

アクアリアを拠点とし、他ワールドへも進出している海上略奪団の総称。
昔から少数の船団が居たのは確かだが、セントラルの身分証が流布してから余計数が増えた。
身分証がないために被る多々の被害から、荒くれ者たちがはぐれて徒党を組んだためである。
主にアクアリアの商船を狙って襲撃し、貨物を奪う。
しかし中には命までは取らず、荷物さえ渡せば船を傷つけない海賊もいるので、彼らも千差万別のようだ。


◆キッド=マグナム(Kid=Magnum)

マグナムを父に持つ、若いエストランドのガンマン。親譲りの銃の腕前を持つ。
若さ故に血気盛んであるが、信念を曲げることのない意志の強さがある。父親を軍に処刑されたため、ジャンクポットへ支援を恃みに来た。
幼い頃父親と共にキャプテン・バルゾフと親しくしていたことで、彼の息子であるガルバートとも仲が良い。

※キャプテン・バルゾフ/ガルバート
 別の作者さんが書かれている、世界観共有作品に登場する海賊のこと。


◆グランハルト(Granhalt)

元セントラル軍人で、現ジャンクポットのリーダー。がっしりしたボディが特徴的なロボット。
胸に刻まれた胸章は削り取られており、今はもう軍に属していないことが窺える。
性格は豪快で奔放、何にも縛られずに自分の思ったように行動する自由さがある。
少ししか彼を知らない者は 「子供っぽい奴」 だと言い、彼を良く知る者は 「実は思慮深い奴」 だと言う。
しかし後者の評価の中には軽々しく軍規に背く異端者といったニュアンスを含んでもいるため、手放しに良い評価とも言えないのが難点である。
掃除や整頓が苦手で、細かい作業は全てエマージに任せっ切りな一面もある。
ジャンクポットにおける彼は、面倒見が良く、何かと頼りに出来る男、といったところか。


◆シェイディア(Shadia)

エディゼーラ国土の何処かにある隠れ里。
暗殺と諜報を生業としており、各ワールドの上層部には名を知られているようだ。
住民は全員暗殺者として育てられ、シェイディアのために働くことを教え込まれる。
最高権力者は『長老』と呼ばれるプロフェッショナルで、シェイディアの政治は彼のワンマンで行われる。
ヒナギクの出身国はここ。


◆ジャンクポット(Junk pot)

グランハルトが立ち上げた、はぐれ者専用の何でも屋。
セントラルの裏路地の片隅にひっそりと建つ廃屋を買い取って改装した店である。
店といっても、デスクと椅子、毛布の他、奥のキッチンと物置以外あまり使用されていない。
錆ついたドアや雨漏りしそうな屋根といい、かたぎの商売ではなさそうな雰囲気がする。
かつて宣伝活動のため、グランハルトが軍の放送ラインをジャックしてCMを流したことがある。
当然すっ飛んできたレオハルトにしこたま叱られ、その一度きりしか宣伝が流れたことはない。
大方の仕事は密入国の手助けや仕事の融資、反軍活動者の隠ぺいや擁護。


◆セントラル(Central)

全てのワールドの頂点に立つ軍事国家。最強の軍隊を抱え持ち、他ワールドを統治している。
セントラルの住民たちは軍の支配する現国家体制に疑問を持たずに暮らしている。
ストリートチルドレンや浮浪者も多いが、軍の『掃討』により大幅に数を減らされている状況。
他ワールドから移住する者もおり、住民全員が身分証を持つ数少ない国家でもある。
中央軍部は総統を頂点とする組織となっている。が、総統と直接対面した者は居ない。
必ずモニター越しの通信での対面しか出来ない。それを疑問に思う者も、勿論居ない。
あまり大きな国ではなく、中央部に住宅や工場などが集まる雑然とした環境である。
勿論その片隅に、グランハルトたちのいるジャンクポットがひっそりとある。


◆中央病院(Central Hospital)

メディアルドで最も技術の高いメンツの集まる総合病院。かつてエマージもここに勤めていた。
白を基調とした実用的な構造をしており、多数の患者を収容出来る。
医師用の食堂やリラックスルームも完備されており、勤務中の多くの医師はここで食事を摂る。
彼らが食事を取っている間、看護師たちは専用のルームで点滴を受け、栄養摂取をするのが常である。
だがエマージのパートナーであるミアはそれをあまり好まなかったので、エマージは良く食堂へ連れ込んでいた。


◆ドク・エマージ(Dr. Emerge)

メディアルドから助手を連れて亡命してきた医師ロボット。グランハルトよりも大柄で背が高い。
右手にはチェーンソーを、左手には内蔵の注射器を装備しており、一見すると医者というよりも技工士か何かのようである。
性格は大まかに言ってしまうとサディストであり、素直に感情を表に出さないひねくれ者でもある。
しかし祖国亡命の理由は極悪非道なものではなく、不治の病に冒されて苦しんでいる患者の願いを聞き入れ安楽死措置を取ったことによるもので、むしろ彼の深い部分での優しさが窺える。
勿論命の大切さを誰よりも知る現場に居たため、安楽死措置も彼の中では一種の棘となり、心を苛んでいるようだ。
他者に対して興味があれば構い、なければ構わない態度を取るが、その中でもミアは特別な様子。


◆ヒナギク(Hinagiku 火奈菊)

シェイディアの擁する暗殺・諜報部隊の一員。セントラル軍部の機密を探るよう命じられていたが、長老の裏切りに遭い、国を追われる羽目になる。
性格は熱くなりやすく冷静さに欠ける一面がある上、常に斜に構えたような態度である。
本来、仲間でさえも信用しない暗殺隊員だったにも関わらず、グランハルトにはすぐ心を開くなど、愛情や友情などの情愛に飢えていた部分がある。それというのも、シェイディアの民には家族という括りが存在しないからだ。子供は全て里の育成機関に預けられて共同生活を営むし、全ては仕事のために行われるので、愛というものが欠けている生活だったのだ。
腕や胸、腰など様々なパーツに投擲弾や手裏剣、小刀、煙幕筒など多くの武器を隠し持っている。
里での実績は中の上程度、決して擢んでて才能があったわけではない。


◆マグナム=ラストン(Magnum=Ruston)

エストランドの英雄。度々ならず者を率いて反乱を起こしていたが、ついにセントラル軍によって処刑された。
マグナムとはガンマン内の渾名で、銃の名手に授けられる勲章的なもの。本名は今は亡き両親と、同じく亡き妻しか知らず、子供であるキッドも彼の名は知らない。
妻の死因は病死だが、身分証の非所持を理由にメディアルドの医療を受けられなかったことから、マグナムにとっては 「セントラルに殺された」 というに等しかった。
テキーラを始め酒好きで、悪酔いする癖がある。かつてエストランドに停泊した海賊の頭領、キャプテン・バルゾフと親しくしていたようだ。


◆マディ(Maddy)

工場から逃げ出してきた造りかけのボディを持つ科学者ロボット。故に身体は脆弱なフレームボディ。
色々と身体的に不備があり、発声機能、循環系、その他諸々と非常に弱い身体になっている。
特に声は、語尾が音を外してしまったり、一部の単語がカタコトだったりする。
脱走の際にくすねた機能維持用のマントを着用していないと循環系を維持することが出来ず、やがては機能停止に至ってしまう。なので常にエマージが目を光らせ、体調を窺っているようだ。
マントの構造としては、沢山のコードをボディに繋ぎ、それを介して循環を助けるシステム。
頭部に大きなゴーグルをつけており、これが高性能モニターにもなっているため、何かする際は着用する。
電子機器の扱いに優れ、ハッカーとしても有能。
名の由来は『変わり者』を意味する言葉から。


◆ミア(Mia)

エマージと共にメディアルドから亡命してきた少女ロボット。
ファイバーヘアーのおさげが可愛い、いつも一生懸命で健気な女の子だ。
しかし少々ドジな所があるので、祖国では敬遠されてたらい回しにされ、エマージの元へ落ち着いたらしい。
そのせいかエマージからは並々ならぬ寵愛を受けており、彼女の支えともなっている。
またエマージの言うことに絶対の信頼を置いている節があり、彼の異常な行動をスルーする特技がある。


◆身分証(Individual Passport)

セントラルが発行する個人特定証明証。今や全ワールドの共通証明証となっている。
ただし、所得が一定値以上であること、定住していることなど、制限が多いので普及率は悪い。
これを所持しているのはセントラル住民と、他ワールドの富裕層のみである。
身分証がないと医療機関にかかることが出来ない、他ワールドへの関所を通れないなど、制約がある。
一種のステータスのような存在だが、セントラルが他国支配をし易くするためのものに他ならない。


◆メディアルド(Mediald)

最先端の医療技術を持つ先進国家。
機能的な構造物と交通網、美しい白の摩天楼のお陰で観光客の入りも多い。
噂ではセントラルよりも優れた国家とも言われているが、兵力を持たないのでセントラルに追従している。
医療技術は殆どこの国に集結しているため、他ワールドで患者が出た場合はここへ輸送される。
倫理問題についてはあまり取り沙汰されてこず、保守的かつ惰性で守られ続けているものも多い。


◆ラグハルト(Laghalt)

セントラル軍に属する軍人ロボット。グランハルトやレオハルトの上司にあたる。
彼が指揮するのはセントラル軍第14隊であるが、第13隊の隊長が逃走してからは元より合同の様相を呈していた二隊を纏め、13・14合同隊を指揮するようになった。因みに、13隊の副隊長はグラッジバルドである。
巨躯で剛腕、非常に戦闘スキルの高い、軍部においてもかなりの戦闘力を有する隊長である。


◆レオハルト(Leohalt)

セントラル軍に属する軍人ロボット。グランハルトとは同隊の同期。
グランハルトよりもすらりとしたボディを持ち、顔立ちもスマートな、いわゆるカッコいい部類。
性格はまじめで実直だが、他の軍人と同じくセントラルに忠実で、ひとたび命令が絡むと人が変わったように厳しくなり、グランハルトも手を焼くようになってしまう。
自由奔放なグランハルトに比べて、しっかり者で何事もテキパキこなす彼だが、何故か周りとの折り合いをつけるのは苦手である。
しかしグランハルトとは友人関係であったため、軍を去った後も何かと目を掛け、手を回し、密かに彼の手助けをしている。
だがそれはセントラルを裏切る行為でもあるので、実際はグランハルトに戻って来て欲しい様子。
実は配給品の塩漬けアスパラガスの缶詰が大好き。


→long
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