勇敢な狙撃手

(ウソップ)





「missionなんて行くかよ。只でさえ訳わかんねぇ奴等に追われてるってのによぉ…」


冗談じゃねぇ。そう呟きながら氷の影に身を潜めて先程貰った地図を広げることにした。


「成る程、ここは南極地点だな。まてよ、ここからジャングル地点は直ぐ隣じゃねぇか!………いやいやいや、誰がmission何かに参加するか。死んでもしねぇぞ俺は」


広げた地図をぐしゃりと握りつぶして鞄に詰め込んだ。大体、missionなんて俺がやらなくてもあいつらの誰かが行くだろ。あいつらは俺と違って化け物だしな!ゾロとかルフィ辺り行く筈だ。


「ううっ、それにしても寒みぃぃぃ!」




ピリリリリリ

ビクッ

「なな、ななんだ!電話か?びびびびったじゃねぇか!………あー、もしもし。こちらキャプテンウソップ」

「ウソップあんた今どこ?」

「ああ、ナミか。俺は今南極地点にいるが…」

「近いわね。missionに行ってきて」

「は?俺は絶対行かねぇ!第一ハンターに見つかるリスクが高まるじゃねぇか!」

「………この前私の服にコーヒーを溢したのは誰だったかしら」

「う、」

「あれ高かったのよねぇ。あーあ、また新しいの買い直さなきゃ行けないわー。いくらになるかしらー」

「ううっ…、わかったよ!行けばいいんだろ行けば!?」

「解ればいいのよ」


鬼だ、間違いなくあいつは鬼だ。ナミに脅迫されたので仕方なくジャングル地点に向かった。ナミが言うには、どうやらヒロインもmissionに向かったらしい。あいつも脅されたのか?

幸いジャングル地点は直ぐ隣で、着いたのはいいがどれが魔女の実かさっぱりだ。


「くそぉっ、全然わかんねぇよ!」

「あ、ウソップ」

「ヒロイン!お前木の実見つけたか?」

「うん、さっき見つけてゾロと魔女に渡して来た。後一人だから急いで!時間もないし。木の実はこっち」


偶然会ったヒロインに案内されて、無事に魔女の実の捕獲に成功した。何かすげぇ気持ち悪い色をした木の実だが今はそんな事を気にしてる場合じゃねぇ。早く海岸に向かわなきゃハンターに見つかっちまう。


「じゃあ私はあっち行くから。絶対届け………ッ!!」

「ん?どうし───」





「「ぎゃあああああハンタだーーーー!!!」」


ヒロインの声が途中で途切れたから後ろを振り向くと、黒いスーツを着たハンターが遠くの木々の間からこっちに走って向かって来るのが視界に映った。

ヒロインとは別々の方向に逃げたが、最悪なことにハンターは俺の方を狙って追ってきやがった。くそぉっ、ここで捕まる訳にはいかねぇ!


「くらえっ!必殺火薬星!」

ボウッ


「よっしゃあ!ざまぁみろ!俺をなめるんじゃねぇぞ参ったかぁっハッハッハッー………って効いてねぇえええぇえぇえ!!!」


火薬星を喰らわせたのにも関わらず、ハンターの奴は煙の中から姿を表しそのまま走って追いかけてきやがった。普通じゃねぇ、あいつ絶対普通じゃねぇ!


「あら、長鼻くん」

「ロビン!説明は後だっ、助けてくれぇぇぇ!」

「ふふ、解ったわ。………クラッチ!」

「さんきゅーロビン!!助かったぜ」

「ここは私に任せて」


あいつは何ていい奴なんだ。ナミに見せてやりたいぜ、あの状況。ロビンがハンターを阻止してくれたお陰で、ようやく海岸にたどり着いた。息が上がってるが、もう時間がねぇ。早くしないと。


「あ、あの婆さんだな。おーい!持ってきたぞー!」

「……………」

「こ、この手に木の実を乗せたらいきなり動き出すとかじゃねぇよな」


ゴクリと唾を飲み込んで、恐る恐る手が震えながらも、魔女の婆さんの手に木の実を乗せる。


「良かった動かねぇ!何だよービックリさせんなよ婆さん」


安心して婆さんの背中を叩く。時計を見ると丁度mission終了まで二十秒前の所だった。
ハハハ、危ねぇじゃねぇか!冗談じゃないぜ、たっく。


「クリア………だよな?」


安堵して海岸の砂浜に大の字になって倒れ込む。魔女の婆さんはいつのまにかどこかに消えていた。ハンターといい、不思議な奴等だぜ。


「ハハハっ、やったー!クリアだ!俺がやったんだー!ハハハ!よっしゃーーーあっ!!!」





mission 1クリア








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