「今日、満月なんだ」 夜にしてはやけに明るい空を見上げると、頭上には煌々と輝く丸い月。 「ミーはいいですけど◎◎は気を付けて下さいねー」 満月の夜は明るい分影が濃い。 そのせいで敵に気付かれることも多いし、顔を見られる可能性も高くなる。 つまりは暗殺に向いていないのだ。 「言われなくてもわかってますよ」 「本当ですかー?影映ってますけど」 ぴ、と指摘すると同時に指された指。 そこにはくっきりと一人分の影が存在していた。 「あ、ちょっと先に言って下さいよ」 少し右によれば体が影に埋まる。 闇の住人として、日の光どころか月の光すら当たることは許されない。 それでも、右側に感じる暖かさを思えばそんなこと気にならない。 さて、今日も人殺しと行きますか。 ――――― よくわからない話。 結局はフランが入りゃいいよって話。 |