続・衝動がえがいたry



「…っく、……の、ヘンタイ!やめ、…」

「おいおい、キスまで受け入れておいてそれかよ。やめる訳ねぇことくらい分かってんだろ?」

「…あっ、待、て…!まだ、そ…こは…ぁあッ!」

「あぁ、此処か?もうちっと脚開いてくれりゃあ楽なんだけどなァ?」


先程の熱を燻っている場所を指先で抉る。

本当は最奥の一番感じる場所に触れてやりたいが、閉じられた脚が邪魔で届かない。

部屋ならこのまま押し倒してやるのだが、生憎ここは風呂場だ。


「そういや、酔った勢いに任せて夜の公園でヤったたこともあったよな。あん時のお前、声押し殺すのに必死で可愛かったぜ?」

「くだらねぇ、こと…ッあ、…覚えてんじゃ、…ふ、く…っ」


まだ体内に残ったままの粘液が手伝って、性急にカルディアを追い詰めていく。

壁に着いた手が力無くずるずると下がっていくせいで、段々と腰を突き出すような姿勢になってしまっていることなど、当の本人は気付いていないのだろう。


「っは、マニ、や、待、て…ッ、イく…!」

「あァ、出しちまえよ」

「てめ…ッ、ちく、しょ…ぅあっ!…ああ…ッ!」


反対の手ですっかり勃ち上がった性器も擦ってやれば、びくびくと躯を震わせてあっさりと精を吐き出した。

肩で荒い息を繰り返すその顔は、すっかり情欲に溺れた色に変わっている。

こうなってしまえば、俺の勝ちだ。


「さて、やめろって言われちまったしな。終わりにしとくか?」

「……ざけん、な、」

「へぇ、ならどうして欲しい?」

「…っクソ、さっさと突っ込んで俺を満足させろ、どヘンタイ…ッ!」


そう、それでいい。さっさと諦めて快楽だけを貪ってしまえば楽なのに、カルディアの場合は往生際の悪い理性がそれを拒む。

どうせハナから生産性などない。

ただ繋がって絶頂だけを求めて、ぐちゃぐちゃに掻き回して果てては求める。

そんな行為にプライドも理性も、邪魔なだけだ。


「あ、あっ…く、…ああ…ッ!」

「はっ、どヘンタイに啼かされて溺れてるお前も、充分ヘンタイだぜ、カルディア!」

「っる、せ……あッ、そこ、は…!」


もう何度重ね合ったか分からない躯は、どこが感じるのか、どうすれば気持ち良いのかを熟知してしまっている。

長く繋がっていたい時は敢えて焦らしたりもするし、時間が無ければ一点だけを執拗に責めて絶頂に導く。

だから機嫌の取り方も分かるし、どうされたいのかも大抵汲み取れる。

それなのに、俺達はただのセックスフレンドだ。

欲しい時に都合よく呼び出して、お互い気持ち良くなって、それでおしまい。

手に入れたいと欲するのは俺だけで、此奴はきっとそんな生き方を望んじゃいない。

虚しく思っても、やめられない愚かしい関係。


「マニっ、…ふ、あ…マニゴルド…!」

「どうした?まだイくには早いんじゃねぇか?」

「てめ、なに考えて、やがるッ」

「…あァ?」

「俺を、抱いてる間、に…っ、他事、考えてんじゃ、ねぇよ!」


途切れ途切れに上がる声はあからさまに不機嫌さを醸し出している。


「さっさと、溺れちまえ…っ!」

「はっ、その言葉、後悔するぜ?」


こんなにも、焦がれて溺れているというのに。

カルディアが求めるのはいつだって一時の高ぶりだけだ。

熱に身を委ねてどこまでも貪欲に溺れていく、快楽。

俺とは偶々その相性が良かっただけ。

そんな思考に脳内が麻痺させられるのが煩わしくて、カルディアを自身に向き直し抱き抱えた。

両脚が地に着いていないせいで最も深い部分まで貫くように繋がったそこは、蕩けてぐちゃぐちゃになった体内を掻き乱した。


「ああぁあっ!!…ば、か!降ろ、せ…ッ!」

「たまには、こういうのも、イイだろ?」

「ひっ、待、て! 動く、なァあ!」

「悪ィ、そりゃ無理だ」


落ちないよう腕を回してしがみつく姿が可愛くて、意地悪く性器を突き立てる。

快感から逃げるように立てられた爪が背中に鋭い痛みを残すが、それさえも甘い痺れに変わるほど、もう、お互い以外何も見えてはいない。


「や、べぇ、お前んナカ、熱くてたまんねぇよ、カルディア…ッ」

「っは、ったりまえ、だろッ、」

「…の、減らず口、」

「だったら、黙、らせて、みろよ…!」


喰い千切るような荒々しい接吻けを合図に、絶頂まで昇り詰めるペースで律動を繰り返す。

強がりを吐き出す唇とは裏腹に、躯はとうに限界らしい。

びくびくと跳ねる腰だけが、与えられる強烈な快感に、正直に応えていた。


「まにっ、むり、イ、くっ、ああっ! あーっ、うぁあっ!」

「……っく…、」


先に限界を迎えたカルディアの瞬間的な締め付けに、搾り取られるようにして精を吐き出した。

まだ中で収まることなく脈打つそれに合わせて、小刻みに全身が痙攣を繰り返す。

対面座位の姿勢になるようゆっくりと腰を下ろすと、着地の振動でまた軽くイってしまったらしく、くったりと身体を預けてきた。


「……っは、…はぁっ…」

「大丈夫か?」

「るせーよ……見るな、ばか」


顔を覗き込めば、悪態。

何となく癪に触ったからぐりぐりと腰を揺らしてやったら、満更でもない顔で挑発的なキスをされた。


(あぁ、そういや明日は休みだっけ。)




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