熱望ドラッグ
※セフレな蟹蠍が前提の蟹×女
「ねぇ、お兄さん私と遊ばない?」
「へぇ、アンタべっぴんさんだな」
「ありがと。お兄さんこそイイ男じゃない。時間あるならどうかしら?」
「悪くねぇ誘いだな」
街の外れにある酒場で一人酒に浸っていたら金髪の女に声を掛けられた。
任務も終えて、後は帰るだけ。
一晩遊ぶにゃ悪くない女からの誘いに、乾杯で応えた。
* * * * *
「…っあ、は、ぁ…だめっ…あぁあッ!!」
「はっ、またイっちまったか?」
「あ…ふ、っ…そういうお兄さん、は…なかなかイかない、のね…」
「…まぁな、」
別に、イけないわけじゃない。
ただ煩いだけの嬌声と柔らかな躯が、女を抱いているのだと自覚させる。
そのクセ頭にチラつくのは、我が儘で傲慢で奔放な蠍の姿。
『…ぅ、ああッ…マニ…!』
何度抱いても足りなくて、どれだけ貪っても飽きることのない、あの躯が、声が、眼が。俺を掴んで離さない。
「私じゃ不満かしら?」
「いいや、そういうわけじゃねぇから安心してくれ」
不服そうに伺ってくる女にキスをくれてやり、口腔内を余す所無く犯す。
隙間から零れ落ちる露も、荒くなる吐息も、断片的な声も。一昔前までなら全てが熱を加速させたのに。
今じゃ、全てが鬱陶しいだけだ。
「アンタみたいな女、なかなか手に入ンねぇのに…勿体無いよな」
「…っあ、は…よっぽど…素敵な彼女で、も…いるのかし、らね…あぅ…ッ!」
「ンなモンがいたら、こうやって遊んでねぇ、だろ?」
「ぁあッ!!…っふ…あ、ゃ、そこ!だめ、またイっちゃう…!」
ぐちぐちと水音が耳に響く。
女の身体ならこんなにも簡単に濡れて、深く繋がって、受け入れてくれるというのに。
それでも求めるのは、あの柔らかくもなんともない、蠍の躯。
「いいぜ、イっちまえよ」
ウェーブのかかったブロンドの髪が、蠍のあれとよく似ていて、聞こえないよう舌打ちを零した。
背中に回された腕が快楽に堪えて、長く伸ばされた爪が刺さる。
その甘美な痛みが、嘘でもアイツからだと思えたなら良かったのに。
「っあ!…や、イく、ぅ…あ、ひああッ!!」
びくびくと痙攣を繰り返す身体。
絶頂に連動して貪り喰うように収縮する膣内に刺激されながらも、達することは出来なかった。
確かな快感は在るはずなのに、それでもイかねぇのは、
熱望ドラッグ
(――あぁ、気付かねぇうちに、こんなにもアイツに執着してたなんて。)