焦燥


※色々と残念な感じになっております

・水瓶←蠍←蟹が前提のマニカル話
・体勢がひどく謎
・カルディア後退り→机にあたる→そのままマニが手で
・未修正


それでも大丈夫!という方だけどうぞ















カルディア自身の先端をぐちぐちと強めに刺激してやれば、堪えられなくなったのか机に体重を預け、喉を引きつらせて仰け反った。

腰を突き出すような官能的な体勢に誘惑されそうになるが、今日はそういうわけにいかない。

空いている方の手で肩を押さえ付ければ容易く距離が開く。

何かに縋ろうと迷う指先がテーブルの端に爪を立てた。


「…ぅ、あ…マニ、…マニ…っ」


涙の滲んだ瞳と薄く開かれた唇が求めるのは、濃厚で獰猛で溶け合うような、口付け。

隙間から覗く紅い舌がちらちらと此方を誘う。


――残念、今日はお預けだ。

キスが欲しい理由を、キッチリ理解してもらわねェと…な。


「っは…、は、…ぁ、く…ッ」

「ほら、早くしねェと誰か来ちまうぜ?」

「…るせ、ばか…!…あ、ぅあっ」


急かすのに何故、という無言の訴えに気付かないフリをして、擦り上げては寸前でスピードを緩め、精を吐き出してしまわないようギリギリで調節しながら攻め立てる。

抱き付くことも叶わず、キスもできない。

躯は限界なのに、埋まらない隙間が絶頂を邪魔する。


「マニ…っ、寄越せ…!」

「してやってもいいけど、代わりに自分で慰めろよ?」

「ん…だそれ、意味…わか、…んんッ!」

「両方は贅沢だろ。ほら、好きな方選べよ」

「っあ、マニ…なに怒、って…、あ、ぁああ…ッ!!」



* * * * *



「何で不機嫌なんだよ、お前」

「別に全然悪くねェぜ。むしろ上機嫌」

「ハァ!? どこがだよ!」

「じゃあ聞くが、俺のどの辺が不機嫌だって?」


余裕の顔で距離を詰めれば、カルディアは息を呑んで視線を逸らす。


――分かり易いヤツ。

そりゃあ上機嫌にもなるってモンだろ?

返ってくる解答は一つしかねェんだから。


「……身体、離してたし」

「お前だけイかせンのに、くっ付く必要ねェだろ」
「キス、…わざとしなかった、だろ」


よくできましたと花丸を付けてやりたくなるような言葉に、思わず口端が上がる。


「なんだ、お前そんなにキスしたかったのか」

「…っ、別に!」

「じゃ、何でしないだけで俺が不機嫌扱いされンだよ」

「いつもはするだろ! だから、癖っつーか、何つーか…」


必死に否定するものの、視線を泳がせるのは、本心がそこに無いことを露呈している。

罰が悪そうに前髪をぐしゃりと掻く仕草が可愛くて、腰を引いて抱き寄せた。


「お前がしたかった、ってちゃんと言えよ」

「ンなわけねェだろ…!」


逃げようとする身体を抱き留めたまま、唇を重ねた。

貪るように口腔内を侵せば、荒い息に甘い声が混じる。

不意打ちに驚いたのか、苦しそうに息を詰まらせて酸素を求めた。


「んぅ!……ふ、…っは…ぅ」

「これが欲しかったんだろ?」

「…っは…あ、くそ…ッ、そうだよド変態!」

「変態で結構。で、お前は何でこうしたかったのか分かってるんだよな?」


挑発するような眼で視線を絡ませると睨み返されたが、微弱に紅潮している頬のお陰で全く凄みは無い。


「いい加減好きだって認めちまえよ」

「るせぇ、離せ…っ、誰がお前なんか…!」

「あ、っそ。ならもういっそ、離すついでにこういう関係もやめちまうか」

「は…!? それとこれとは話が違…っ」

「違わねェよ」


響くようにわざと低音で耳元に囁けば、ぞくりと身体を震わせて熱の浮いた瞳で此方を見返す。

手だけじゃ満足できず、燻っている欲を刺激してやれば、もう戦況は此方のもの。


「……だったら、」

「あ?」

「好きって言わせてみろよ」

「はっ、随分安い挑発だな」


不満そうに紡がれた言葉だが、今の段階じゃ充分過ぎる程に優越感を得られた。

こいつからそんな甘えた台詞を聞けるのは俺だけでいい。

身体だけで満足出来なくなってるのは、俺もお前も、お互い様だ。

――お前を俺だけのモンにしてやるから、覚悟しとけよ。なァ、カルディア?


焦燥
(奪い取るまで、あと一歩。)



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