【水瓶×蠍】substitution【パラレル注意】
※カミュ←ミロでデジェ→カル前提なデジェ×ミロ
要するにカオス
目の前の青は確かに求めていたものによく似ていて。
それでも、その双眸に映る自身は、酷く苦い表情をしていた。
――違うと解っていながら、口付けに応えたのは私だというのに。
「…ッあ! …ぅ…く、…」
「……つらいか?」
「構わん…っ、はやく、続けろ…!」
「そうか、なら力を抜け」
まだ暴かれたことのない、無垢なそれを少しずつ拓いてゆく。
押し殺した隙間から漏れるくぐもった声。
明らかに痛みを堪えていることが窺える。
今ならば引き返せるというのに、彼からの拒絶の色は、まだ、無い。
「…も、いい……挿れろ…」
「まだ早いだろう?」
「いいから! …あまり、優しく…するな…ッ」
「……そうか、」
しっかりと慣らさないと痛いのはお互い様なのだが。
そんな些細な不満を口の中だけで呟き、指を引き抜く。
高ぶった自身を当て行うと、一瞬、肩がびくりと跳ねた。
強張られては余計に入りづらい。
それでも、来るべき苦痛に備えて息を呑む姿は健気だとも思う。
意識がそちらだけに向かないよう唇から呼吸を奪ってやって、不可侵のはずの領域にゆっくりと楔を立てる。
「…んん゛…は、あ…っ…」
「息を止めるな。ゆっくり吐き出せ」
「そんな…こと、解って…うぁ、あッ!」
根本まで銜え込んだそこは溶けるように熱くて、まるで発作を起こした時の心臓のようだった。
「……は、やく…動け馬鹿…」
「痛くはないか?」
「煩い…ッ」
途切れ途切れの呼吸のまま唇に喰らい付かれ、噛み合った視線のまま名前を呼ばれた。
瞬間、ぞわりとした快感に似た粟立ちが背筋を走る。
求めているものとは違うはずなのに、確かに熱は体積を膨張させて。
それに気付いて自嘲気味に笑うと、何だ気持ち悪いと、一蹴された。