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「…で、どうしたんだよコレ」
「部活の打ち上げで貰った」
可愛らしいピンクのファーが付いた輪は短い鎖で繋がれていて、所謂アダルトグッズであることがすぐに分かった。
どうやら打ち上げでミニゲーム大会のようなものが開かれ、そこで当ててきた戦利品らしい。
「ま、思春期のガキが喜びそうな代物だよな」
「思春期じゃなくても、男なら一度は試してみたいんじゃない?」
「…ふーん」
つまりは、お前も、か。
俺はこんなモンで拘束されて好き勝手されるのは死んでも御免だ。
しかしまぁ、その発想はあながち間違っちゃいない。
主催が趣向を凝らして用意してくれた景品だ。折角なら有効活用してやろうじゃないか。
なあ、レグルス?
「えっと、何で俺の手にはめるのかな?」
「自分で言っただろ、男ならロマンだってさ」
「うん、言ったけどさ…」
「なら試してみようぜ、そのロマンとやら」
「…って、ちょっと待って! まさか俺が下…!?」
「そっちの方がお望みならそうするけど?」
「全力で遠慮しとく」
「じゃ、ベッドに寝転がってもう片方の手も出せ」
渋々とベッドに横たわったレグルスを柵に拘束する。
カチャリ、と音を立てて枷を閉め、両腕の自由を奪ってやった。
頭の上で組まれたそれは手による抵抗を許さず、非情にも無防備になったレグルスは不満そうな顔をしている。
「なかなかイイ眺めだな」
「俺は見下されてるみたいで面白くないけどね」
「そう言うなよ。お楽しみはこれからなんだからさ」
「カルディア…っ!?」
身動きできないレグルスのベルトを外して、ズボンを脱がす。
右手でやわやわと刺激を加えてやりながら自分の服も左手で剥いで、両脚の上に跨るように座ればこれから先を理解したらしく、抗議の声が聞こえてきた。
「ね、一応聞くけどさ、これいつ外してくれるの」
「俺が満足したら」
「外してくれたらもっと楽しいことできるかもしれないよ?」
「そうだな、そうかもしれない。けど、今日は駄目だ」
「…この淫乱」
「何とでも言え。ただし後悔することになっても知らんからな」
「はぁ…、渡すんじゃなくて先に捕まえれば良かった」
そんな溜め息を余所に、レグルスのシャツも脱がしにかかる。
久しぶりに火を点けられたんだ。
明日はお互い休みだし、さて、どう楽しんでやろうか。
(K;kindle=火を点ける)