*極短小説





『愛してくれてありがとう』


最愛の弟に抱えられ、そう笑って逝った僕の恋人で家族だった君。
歴史的戦争になったあの日、大好きな君を失い、大好きな父も失った。


『あー!ハルカ、俺の肉食うなー!』
『はは!早い者勝ちだもーん!』
『んだとぉ!!』


楽しかったあの日は鮮明に覚えてる。
散々騒いで、マルコの拳骨喰らって、また騒いで笑って。


「…ハルカ、冷えるから中に入れよい」
「本当に寒いね!冬島近いの?」
「…あぁ、」


足りない日々をそっと埋めるように笑ってた


それはお互い痛々しい物で、誰もそれを責めたりはしなかった。


『ハルカ、好きだ』
『ぼ、僕も…ッ』


温かったその頬に手を伸ばせば、


触れるだけで壊れた 

指先から離れて消えた



それは暖かった夢。
隣にはいつも君が居て、こんなにも冷えたことはない。


キミを忘れられるほどの素敵な夢を見たい


『火拳!!』
『やっぱりいつみても綺麗な炎!』
『マルコの青い炎よりかっこいいだろ!』
『あ、マルコは別格』
『んだとーー!!』


本当は君の赤い炎が好き。
温かい色をした炎は僕の心も温かくする。
だからまたその炎が見たいよ。


綺麗な灯かりともしたらうつむいてられないでしょ?



『もし1つだけ願いが叶うとしたら何を願う?』
『んーそうだなぁ…夢を叶えてもらう!』
『夢って?』


もっと知りたいこといくつもあるの


好きな食べ物は肉、尊敬する人は親父。
3つ下の弟が居て、誕生日は1月1日。
もっともっと聞きたいことがあった。


「…無理に笑ってんじゃねぇよい」
「…マルコこそ」
「うるせぇよい」


この感情を忘れてしまおうと思って他の人を好きになろうとも考えた。
水平線に沈む真っ赤な太陽を見て気付いた。


キミを忘れられるほど素敵な夢などない


『俺の夢は親父を海賊王にすることと…』


いつまでもキミを忘れられないまま夢の続きを探した



『いつまでもハルカの傍に居ること』


怖いものなんてなくならないんだ


一人の夜は怖い。
君の居なくなった夜は怖い。
君が隣に居ないことが怖い。


それでも君はいつでも僕の傍に居る。


だからうつむいてばかりじゃいられないでしょ?



「いつまでも、いつまでも大好きだよエース」






首にかかる君とお揃いのネックレスを強く握りしめた。




YOU
(紅蓮に染まった空)





*『YOU』YUI
エース×三日月主。
もし白ひげが解散していてもマルコがハルカくんを引き取って面倒みればいい。



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