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4月1日
全ての嘘が(か、どうかは分からないけれど)許される日
私は普段から自分の彼氏に振り回されている
今日というチャンスを活かさないだなんて勿体無い!
というわけでエイプリルフールという行事に参加する事にした
つまりその彼氏様に嘘をついてみようという試みだ

「ね、メローネ」

「ん?なんだ?」

私をクッションか抱き枕変わりにしているように、私を抱きしめながらソファでテレビをみるメローネに不意に話しかけると、腕の中にいる私の髪を撫でながら私の声に反応してくれた
ああ、その優しい瞳がどんな表情に変わるのか楽しみ
だけど許してね 今日はエイプリルフールだもの

「別れて。私と」

ズバっと切り捨てるようにそう言うと、メローネの表情は硬直した
みるみるうちに青くなっていく

「わ、わけが分からない!どうしてだ!?」

「理由なんて無いよ。だけどもう好きじゃなくなっちゃったの。」

「納得できるもんか…!嫌だ!絶対に別れないぞ!」

「っえ」

気づいた時には、視界がぐるりと回って、さっきまで私を背後から抱きしめていたメローネが真上に居た
背中に当たっている感触はやわらかくて安定が悪い。ソファに押し倒されていると気づいたのはちょっとたってからだった

「ま、待って!待ってメローネ!」

「別れるだなんて、ふざけた事を言うからいけないんだ…」

メローネに強く握られた手首が痛んだ
私を見るメローネの表情はいつもと全然違う 乱暴で、とても怖い
私の顔も一気に青ざめていった
もう到底からかう気など失せてしまった

「メローネ!落ち着いて!今日はエイプリルフールなの!」

「…エイプリルフール?」

少しだけいつもの表情が戻ったメローネが壁に貼ってあるカレンダーを横目でちらりと見た
そしてまた私に戻る視線

「じゃあ、別れるっていうのは…」

「嘘よ!嘘!」

「好きじゃなくなったってのも…」

「嘘だってば!好きよ!」

「…もう一回」

「好き!」

「名前を読びながら」

「メローネ好き!」

「キスして」

「うっ な、なんでそこまでしなきゃいけないのよ!」

「じゃないと離さない」

「……もー!」

やけになりながら目を瞑って頭をあげ首を伸ばして少しだけメローネと自分の口を重ねた
唇を離した瞬間にガバリとメローネは覆いかぶさってきた

「ちょ、ちょっと!離してくれるんじゃ!?」

「離すもんか。一瞬でも俺の心を傷つけた罰は償ってもらうぜ」

端整な顔が真上で私を睨んだ
今回ばかりは自業自得かもしれない、と思いながら 本当に別れ話を切り出す時がきたら私はどうなってしまうのかを考えて心の奥底で恐怖した









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