もしも立海テニス部員たちが将来テニススクールのコーチになったら。


〇幸村 小学生クラス
「違う違うこうじゃなくてこうだから!見て覚えて!」と無茶な教え方で生徒達を困惑の渦にたたき込む。抗議する生徒に「本当に見るだけで覚えられるのはある意味天才だからとりあえずそういう子を見つけようとしただけだよ。いないみたいだね。はいじゃ次のメニュー始めまーす」と全く動じない。しかし彼の実力はやはり折り紙つきであり、意外に人望もある。遠くからわざわざ習いにくる生徒もいるほど。「幸村コーチは五感を奪えるらしい」という噂は生徒達の間である種の都市伝説のように語り継がれており、本当のことを聞けた勇者は未だにいない。しかしスクールの中でも一番のやんちゃ坊主トオル君(10)は「幸村コーチは僕の目を見えなくしたんだ」と強く主張している。


〇真田 中学生クラス
スクールの中でも一番実力のある生徒のクラスを受け持つ。生徒に付けられたあだ名は「自衛官」「あいつ」「江戸時代」などレパートリー豊富。真田の組む練習メニューは信じられないほど苛酷で脱落者が続出し、親からの苦情もよくくるがメニューを変更することはほとんどなく、実際にスキルアップした生徒もいるので結局真田のクラスはスクールの目玉のようになってしまった。学校や警察に見放された問題児等をよく預けられる。だいたいの問題児は1ヶ月ほどで更正してテニスが大好きになる。なんだかんだ言って生徒から慕われているがそれに気づいていない真田コーチ。


〇柳 大人クラス(初心者向け)
クラスに入るとまず初心者であれ経験者であれ最初の授業はデータ収集のための体力測定でまる一時間埋まる。次の授業からは正確に分析されたデータに基づきそれぞれに合った練習への細かい指導が入る。子供にはあまりウケない練習方法だが大人たちには大ウケで、いつもクラスは予約でいっぱいになっている。確かに丁寧な言葉遣いと正確な数字やグラフによって提示される柳の指導は分かりやすく、どの生徒もすべてを理解したような気になるのだが、頭で分かるのと実際に体を動かすのには大きな違いがあるということに誰も気がついていない。柳自身はデータ管理ばかり出来るしテニスは楽しいしで楽な仕事だと思っている。悪いコーチである。


〇仁王と柳生 一緒に
テニススクールの偉い人に弱みを握られタダ働き同然で働かされることになった仁王を心配し、エリートサラリーマンの道を着々と歩んでいた柳生は会社を辞め同じスクールのコーチとして再就職。「ほらっあなたは教える側なんですから遅刻なんかしてはいけません!」と叱咤してダラダラの仁王がちゃんと働けるようにサポートする柳生は、実は偉い人に交渉を重ねて仁王の給料を正規の値段まであげることに成功した。というのは次の給料日までの期間限定の秘密。
仁王は基本的にベンチに座ったままあまり動かない(たまに寝ている)。しかし気が向いた時や偉い人がいる時、無駄に強いショットのデモンストレーションをやったりするので女子生徒たちにきゃあきゃあ言われている。悪い気はしないが特にいい気にもならない。最近生徒に言われた言葉は「この給料泥棒」と「顔だけイケメン」。どちらも必要以上に恨みのこもった男子生徒からのものだがあながち間違いではない。
柳生は懇切丁寧に素振りのフォームからスマッシュの力の入れ方まで、という手取り足取り細やかな指導が大人気。しかしその生徒への対応があまりにも紳士的であるため、生徒以外にまでも「あの紳士みたいなコーチはなんなの」と話題が広がり一時期コートの周りは彼のファン(保護者のみなさん)で埋まった。同僚からは陰でマダムキラーと呼ばれている。


〇丸井と赤也 小学生クラス
「丸井コーチの髪の毛はどうして真っ赤なのー?」
「なんでー?」
「ああ…これな、切原コーチっているだろぃ?」
「うん、切原コーチかっこいいから好き!」
「僕も!」
「ふーん…ま、誰が好きだろうとお前らの自由だけどよ」
「え、切原コーチがどうかしたの?」
「あいつ、怒ると『赤く染めてやる』とかなんとか言うよな」
「えー知らない」
「僕聞いたことあるよ」
「…これな、切原コーチがすっっげえ怒るとこんな頭にされちまうんだぜ」
「えええええ!!」
「…丸井先輩」
「ぎゃーっ!!」
「生徒にデタラメ吹き込むのやめてくんないっスか…」
「あははははは」

丸井は一度社会人デビューして髪を黒く染め直し、一見真面目に働くかのように見えたが仕事中の居眠りが多発しあっという間にクビ。仕方なくバイト先を探しているとテニススクールのコーチ募集を見かけてこれちょうどいいじゃんと思ってあっさり応募。大学を微妙にサボりながらスクールでバイトばかりしている赤也に久しぶりに再会し「なんか丸井さん黒くなってるw頭黒い丸井さんとかマジww」と爆笑されたのでもう一度赤に染め直したあと生意気な後輩を締め直した。さらになんだか切原コーチは人気があるらしいのでそれも気に食わずこうしてたまに切原ファンを恐怖に陥れている。休みの日はよく赤也とDVDを一緒に見る。


〇ジャッカル 高校生クラス
世の中の大人達がみんな敵に見えてしまうお年頃の生徒達からなぜか絶大な支持を受け愛されている。「ジャッカルなら信じられると思った」「ジャッカルと話してると落ち着く」などの好意的な意見ばかり寄せられる中、「ジャッカルと結婚したい」という熱いメッセージが直接届くこともしばしば。また、これらの意見から分かるようにどの生徒もジャッカルという名前に尊敬と親しみを抱いており「桑原コーチ」とはあまり呼ばない。相互にバランスのとれた愛が生み出す関係である。
卒業してからずいぶん経つが未だに誰かにおごってやる癖が抜けず、月に一度の進級テストのあとには必ず生徒にジュースをおごっている。これも生徒に愛される要因の一つである。







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