私は久しぶりにデートをしてくると出掛けた父と母を待っていた。両親は美味しいもの買ってきてあげるからねと笑っていて、私は楽しみだなと家で留守番をしていた。何で今、こんなよくわからないところにいるんだろう。

「……上杉ういさんですね? 公安の降谷零と言います。いきなりこんな事を言われると混乱すると思いますが緊急事態ですので、ご了承ください。あなたのご両親が大きな組織の取引現場にたまたま居合わせてしまい殺されてしまいました。その時お母様があなたに電話をしていて、その電話の着信履歴を組織に知られてしまいました。あなたを探しだそうとする動きがありますので、今からあなたを保護をさせていただきます」

ここは……公安の降谷零という人の家だそうだ。先程まくし立てられた事を思い返す。組織の取引現場。居合わせた。母と父がコロサレタ……? 殺された? よくわからなくなっていた頭が段々と整理されていく。隣には何も言わずにいてくれる公安の人がいる。

「母と父が殺されたんですか?」
「ああ。いきなりで混乱しただろ。すまない。組織は手が早いから君を長い間匿わなければいけなくなった」
「母と父の遺体は……?」
「その組織は絶対に証拠を残さない。だから辛いが帰ってはこない」
「……」

全てがいきなりでやっぱりよくわからなからなくて、もう両親には会えないんだという事だけ理解出来ていて、ただただその日は泣きじゃくっていた。



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