初めて聞いたインターホンの音。この部屋に用がある人はみんな合鍵を持っているので、チャイムがなることはない。郵便物とかも別の場所に届けられるシステムだ。誤作動かなと思いつつ、幸いインターホン越しにカメラはついているので、確認するとそこには赤井さんがいた。驚きながらも鍵を開け、赤井さんを家に入れた。

「お久しぶりですね。どうぞ、あがってください。今、誰もいない」
「いや玄関先でいい。直接伝えたいことがあって来た」
「……何ですか?」
「明日バーボン。いや、降谷零がういを保護しに来るだろう」
「え?」

え? なんて驚いてみたけど、赤井さんには演技だバレてしまったのか鼻で笑われてしまった。鍵なんて開けなければよかった。終わりが近い事はここ最近のジンとバーボンを見ていればわかっていたから。

「バーボンもジンも最近あまり顔を出さないし、赤井さんにも何かあったみたいなので、なんとなくわかってましたよ」
「覚悟はしているということか?」
「ずっとしてます。けれど、実際起こってみないとわからないです。ジンが好きだけど、一緒にいられないのはわかってます」
「そうか。俺もういのことは気に入ってたけど、これが終わったらアメリカに帰らないといけなくてね」

赤井さんの携帯が着信を告げた。電話に出た赤井さんは、すぐ行くと電話を切りこれが会うのが最後だと、言い残し家から去って行った。ついに、全てが終わるのだ。ジン、好きだよ。思いを届けるのくらい許してくれるよね?



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