最近のバーボンは苛立っている様に思えた。何となくだけど。そんな様子のバーボンに、ライの事を聞くのは気が引けたけど、私も面識がある身だから知る権利くらいあると思うんだ。

「最近ライ見ないですね」
「……」

何だか雰囲気が一層悪くなってしまった。今、ライの名前を出すのは、組織にとっては苦いものなのか。

「赤井秀一は組織にFBIだとバレて潜入は終わったよ」
「そう……なんだ」

ライがそんなミスするのかな。けれど、バレるときはバレるものなのだなと思った。もうライに会う事は無いのだろうと考えると少し寂しい気持ちもした。

「ういからしたらいい話かな。組織が潰される可能性も減った訳だし」
「……そうですね」
「じゃあ、僕の事も早くいなくなって欲しいのかな?」
「今の話の流れだとそうなっちゃいますね」

この人もスパイだし。私の立場から言ったら組織を潰したい人は、みんな敵になる。だけど組織は悪い事をしていて、これだけ追跡をされればいつかは捕まる。そんな少し考えればわかること。

「私って保護されたらどうなるんですか?」
「何だかういは最初からジンと離れる事になるのを予感している感じがするな」
「そんな事ないですよ」

覚悟はしてますけどと続けようとしたけど、その言葉を飲み込んだ。やっぱり私はジンと離れ離れになってしまう未来しか見えなくて。飲み込んだ言葉とともに泣きそうな顔を隠した。ジンに着いて行きたいだなんて、そんな願いは叶わないのだ。



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