*R15

あれから数日、やはりジンはいつもと様子が違っていた。その理由がわからなくてモヤモヤして、ついに、最近どうしたの? と聞いてしまったから。

--------やめてと言いたいのに、突然の出来事に声が出ない。いきなりソファに押し倒されて、手首を顔の横に押さえつけられる。とても怖いのに、心臓がうるさい自分もいて嫌になる。

「嫌なら抵抗しろ」

耳元で低く響く声色はいつもと違う男のジンがいた。抵抗出来ないほど押さえつけているくせに何が抵抗しろだ。何より大人の男の力に適うはずがあるわけがない。確信犯だ。顔が近づいてきて、なぜこんな状況になっているのかわからない私は顔を逸らすのに精一杯だ。

「嫌か?」

私だって成人していて、この状況から何が始まるかなんて分かりきっている。確かに私はジンの事が好きだ。でもそれは異性として意識をしていたわけではないはずだ。ジンはきっと誰でもいいのよ。ベル姉がそんなことをいつしか言っていたのを思い出す。しかしそんな事を思い出しても、どうすればいいのかわからない。ジンの顔も見れないし、押さえつけられてこれ以上動くことも出来ない。するといきなりジンが首筋に舌を這わせてきた。初めての感覚に一気に顔が熱くなる。

「ジン!!」

思っていたより声が出て自分でもびっくりしていると視線が合った。てめぇが抵抗しないのが悪いだなんて言われても、どうしようも出来ない様にしているのはジンのせいなのに。やめてと言おうとした口はジンの口によってすでに塞がれているし。長い長いキスに息が苦しくなる。酸素を吸いたくて、口を開けたら間髪入れずジンの舌が口腔内に侵入してくる。散々、弄ばれてジンの熱い吐息とともに唇が離れる。繋がる唾液がとてもいやらしくて、嫌だ。ああ、もうこれは逃げられない。でもどうしてもこれだけは確かめたくて、私は震える声で私のことなんとも思ってないんだよね? と聞いた。答えを聞くのが怖くて、自然と目を逸らしてしまう。

「俺はういの保護者だと思ったことはない」

その発言に思わず視線を合わすと今度はジンが視線を逸らす。俺だって自分で驚きだ、と。ジンが素直なんて気持ちが悪い。ちょっと笑ってしまうと、鋭い目つきでこちらを睨んできた。

「だって、ジンそんなこと今まで一言も」
「言うわけねぇだろ」

押さえつけていた手首の力が弱まっていた手に再度、力を入れるジン。抵抗しないなら続けるぞなんてまた抵抗をさせなくして。本気で嫌ではない私はジンのことが好きなのだろうか。

「ジンとならいいよ」

最初からそう言えと小さく笑ったジンにまた唇を塞がれた。



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