*R15気味

学校から帰ってくるとソファへ無造作に置かれた白衣。片付けもしないで、どこに行ったんだ。家に持ち主の気配はない。開かれたままの鞄の中を見てみると、財布は見当たらないからコンビニとかかな。どうせ洗濯に回すつもりだろうとそれを手に取る。……実は前からちょっと羽織って見たかったんだよね。持ってた鞄を置き、羽織ってみるとやはり身長差があるから裾を引きずってしまう。裾を引きづらないように裾を持ち上げながら、リビングの隅に置いてある全身鏡で全体を見てみるとかなりブカブカ。それに制服に白衣って似合わないなと見ていると、玄関から晋助の帰ってくる音が聞こえた。

「うい、帰ってきたか」

その声とともに、リビングの扉が開く。

「何やってんだ?」
「これ? 何か前から羽織ってみたくて。でも制服に白衣って似合わないよね。それより着替えもしないでなに買ってきてたの?」
「ん? 酒」

そう言いながら冷蔵庫にお酒を入れていく。今夜の晩酌用ですかね。ソファに座った晋助は白衣を羽織ったままの私を見てくる。

「ねぇ、どう保健室の先生ぽい?」
「下が制服だからな。なんとも言えないですね。上杉先生」
「おお。いつもと逆だ。サボりはダメですよ。高杉くん」

おかしくてどちらともなく吹き出してしまった。私は白衣を脱ぎイタズラで、晋助の肩に白衣をかけると晋助はそのまま立ち上がり袖を通した。中はスーツだからそのままの姿につい口から高杉先生だと言ってしまった。

「なんか家でその姿見ると不思議な感じ」
「だな。俺も何か変な感覚だわ」

晋助が振り返るとソファに座った私を見下ろす形になる。背景が家で2人とも格好が格好なので、余計面白く感じていると、晋助の右腕が私の上につき、姿勢を屈めて私の顔をのぞき込んできた。何だか"高杉先生"に迫られている感覚に陥ってしまう。何だか恥ずかしくて肩を押し返すけどぴくりともしない。

「晋助?」
「高杉先生だ」
「え?」
「たまにはこういうのもいいんじゃないのか? 上杉」

どうも厄介なスイッチが入ってしまったようだ。

「どうせ洗濯するんだし、明日は休みだし汚れても問題ねぇよな?」

そう意地悪く楽しそうに笑う晋助。養護教諭がそんな顔していいのか。

「ほら、呼んでみろよ。上杉」
「た……かすぎせんせ」

普段ふざけてそう呼ぶと、ここは学校じゃねェと怒るくせに勝手だなぁ。どもりながらも呼んでみたら嬉しそうにしてるし。腕を捕まれソファに押し倒されてしまう。こうなってしまっては逃げられない。それに本当に目の前にいるのは、高杉先生なのでイケナイ事をしている気がして、いつもより心拍数があがる。

「上杉……」

耳元で低く囁かれてしまうと体が反応してしまう。その反応に気を良くしたのか、耳に舌を這わせられ、片方の手で手首を一括りで抑えられてしまう。もう片方の手でネクタイを解かれるまであと少し。



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