「では、それでお願いできますか?」
「いや、それはこうで。出来れば……」
「……わかりました。なので、これを」
「それは出来ないな。だからこっちで」
「……じゃあ、それで。当日はよろしくお願いします」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」

相変わらず私はサボりで保健室のベッドの上で携帯をいじっていたのだけれど。高杉先生と何かの打ち合わせをしていた声は教頭先生で。教頭先生の提案をほとんど聞き入れなかった高杉先生に私は途中から呆気に取られていた。高杉先生に声をかけるべく、仕切られているカーテンを開ける。

「高杉先生」
「何だ?」

教頭先生に偉そうな態度をとっていた高杉先生は涼し気な顔をして、書類業務をしている。この人の心臓は鋼で出来ているのかと疑ってしまう。

「さっきの人って教頭先生ですよね?」
「そうだが」
「あんなズケズケ、モノ言っても大丈夫何ですか?」
「あ? そんな風に聞こえたか?」

無自覚ほど恐ろしいものは無いのだが。それ以上何も言わない私に高杉先生は首を捻ったが高杉先生もそれ以上突っ込んで来る事はなかった。



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