何となく眠れなくて寝返りをうちたいのだけれど、銀時の抱き枕代わりにされてしまっていてそれは叶わなかった。足まで絡められて、密着度が高い私たちの距離。とても空間が暑いが、銀時の体温が高いのか私の体温が高いのかそれもわからないほど。

身動きが取れずに、私に残された選択肢は銀時の顔を間近で見ることしかなかった。その至近距離にある顔を少しだけ離して全体を捉えた。

綺麗な白髪は暗い部屋の中でキラキラと光を放っているようにみえる。意外と長いまつ毛に整った顔立ち。銀時は結構かっこいいのかもしれない。普段の気だるさが目立っているだけで、私の彼氏様はそこそこなイケメンなのだと思った。

少しすると野生の勘なのか銀時が腕の力を強め、私を抱きしめ直し、また距離はゼロ。この人、ほんとは起きてるんじゃないでしょーねと近づいたおでこにキスをすると、少し嬉しそうに笑った気がした。

「銀時さん。起きてますよね」
「そりゃ、こんな可愛い子が俺の事じっと見てちゃーね」

そう言っておでこにキスを仕返しされる。やっぱり、起きてた。ちょっと恥ずかしいじゃないか。

「ういちゃん、ういちゃんからもう一回キスしてよ」

恥ずかしさを誤魔化すように唇にキスをしたけど顔の熱は上がるばかりで、その体温を銀時の胸板に押し付けた。やっぱり可愛いと更にキツく抱きしめられた。

title:サディスティックアップル



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -