*57巻本堂瑛祐の報告~58巻コナン君と赤井さんの屋上での会話まで

突然転校してきた本堂瑛祐。最初の方は何とも思っていなかったけれど、段々と動向が怪しい方向に。

どうやら、水無怜奈に似た姉を探している様だ。水無怜奈を匿っている身からすると、それは見過ごせない訳で。

それを赤井さんに報告をしようと病院の屋上へと来ていた。

「ホォー」
「特にこの子に対して注意を払う必要は無いと思いますけど、何かあった時のために耳に入れておきます。一度ここにも顔を出したみたいですけど」
「わかった。何かあった時すぐにでも対応出来るようにしておこう」

少しだけ楽しげに笑った赤井さんにちょっとだけ嫌な予感が走る。そんな予感を残したままここを立ち去りたくなくて、直球で疑問を投げかけた。

「赤井さん。あまり私達FBIは日本で派手に動けないんですから、一般市民を巻き込む事は止めてくださいよ」
「ういから注意される日が来るとはな。その様子だと結構、高校生活が体に馴染んでるようだな」
「こんなに本業が忙しくても怪しまれない為にちゃんと通ってる所を褒めてもらいたい所ですけどね。それじゃあ、調査の続きがあるので、これで」

私は頭を下げて、屋上を出た。



それから数日もしない内に夜、赤井さんから電話がかかってきた。恐らくいつもの突然の呼び出しだ。久しぶりに自宅のベッドで少しでもちゃんと睡眠を取ろうとしている所だったのに。タイミングが悪い。しかし、その我儘も言ってられないのも現状なのだけれども。赤井さんからの着信を告げる携帯を手に取り、通話ボタンをタップする。

「ういか?」
「違います」
「……すぐ病院の屋上に来い」

ふざけた私も悪いが、それだけ言われて電話が切れた。適当に身支度を整えて車に乗り込んで、病院に向かう。目立たない場所に車を停めて、いつもの様に病院の屋上へ。すると、そこにはここで顔を合わせてはいけない人物が。

「コナン君!?」
「うい姉ちゃん!?」
「何だ知り合いだったのか」

そこにいたのは、蘭ちゃんとよくいるコナン君だった。探偵ごっこめいた事が好きな子供だなとは思っていたけど、まさか赤井さんといるなんて思わないじゃないか。

「何でコナン君がこんな所に?」
「ボウヤも組織に探りを入れているらしくてな……。知恵を貸してもらっている」
「赤井さんがそう言うなら……」
「それにしても一人伝えておきたい人ってうい姉ちゃんだったんだね」
「ああ」
「そうだ。何の呼び出しでしたか?」

コナン君がいた事に意識を持っていかれて、本題を忘れるところだった。「手伝ってもらいた事が」と話しを聞けば、コナン君と赤井さんがほぼ一緒のことを考えていたらしく、水無怜奈を組織に戻すという内容。その中で、キャメル捜査官の手助けと後処理を頼まれた。までは、良かった。引っかかったのは、水無怜奈を起こすために、本堂瑛祐を利用するという所。

「本堂瑛祐を巻き込みたくは無いんですが」
「それなりの対処はするつもりだが。彼も真実を知れるならそれでもいいじゃないか」
「けど……」
「ういはいつから帝丹高校三年生の上杉ういになったんだ?」
「…………私は、私はFBIで赤井さんの優秀な右腕の上杉ういです」

赤井さんに言いくるめられたのが、悔しくてそう強く言い返す。するといつも私をバカにする様な時の顔をした赤井さん。

「優秀な右腕ねぇ。なら、この任務必ず遂行してみろ」
「やってやりますよ! 下でジョディさんと合流してきます」

勢いよく屋上の扉を飛び出して、かけ下る。それにしても、コナン君にバレたことでちょっと高校生活やりずらくなってしまったなぁと別の疑問に頭を抱えた。



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