大好きなヤツがいる。それは、俺よりも一回りも二回りも小さくて、小さいくせに心は広くて大きくて。精一杯背伸びして俺に近づこうとしてくれる。
「銀ちゃん」
それでいて俺を呼ぶ心地いい声。
今日は神楽が新八の家に泊まるというから、久々に万事屋でゆっくりういとあまーい時間を過ごしている真っ最中だ。
「銀時さーん」
「ん? どした?」
客間の隣の部屋。布団の上で、ういと他愛もない話をしているだけでも楽しいのだけれど、やっぱり触れたくて仕方なくなってくるのが、男の性なのか。
俺が振り向いて抱きつくと、俺の背中に腕を回そうときつく抱きついてきた。回りきらないその腕がまた愛おしくて、そのまま優しく布団に押し倒すと、まだ慣れていないのか顔を赤らめて恥ずかしそうにするのがまたたまらない。その顔がもっと見たくて、手で顔を隠そうと必死なその腕をちょっぴり強引に離し、やんわりとういの顔の横に押さえつける。
「かーわい」
そう言うとますます顔を赤らめる。柔らかい頬の感触を確かめるようにキスを落とすと擽ったそうに身をよじる。
「いいか?」
答えの決まっている様な質問に、首を縦に振って俺を受け入れようとしてくれている姿にまた惚れ直すのだ。
title:サディスティックアップル