高杉と飲んで帰ると日付は変わっていた。明日は日曜なので、仕事に支障は無いしういも予定は無いと言っていたから昼過ぎくらいまで寝て2人でゆっくりしていよう。そんな事を考えながらすでに夢の中のういを起こさないように寝支度を済ませて音を立てないよう寝室のドアノブを降ろした。

少し慣れない暗闇の中を進み、足音を忍ばせる。ダブルベットに近づくと暗闇に負けない黒い影がういの隣を占領していた。心の中で俺の場所だぞ、リンと呟くとその真っ黒い影は勝利を誇った様に身じろいだ。寝ているから多少抱きかかえても威嚇はされないだろうと手を伸ばすと、動物的勘なのかういの隣を渡さないという強い意志なのかは知らないが急に目を開けすかさず猫パンチを喰らってしまった。

「くそっ」

そんな俺の言葉をわかっているかのように、寝る体勢を変えて更にういにくっつきながら寝始めたリンにどうしようかとベット際で立ち尽くしていると今度はういが身じろぎ目を覚ました。ういに俺の場所が無いよと移動させられるのがわかっているのか、リンもそれに合わせて何事も無かったように猫特有の背伸びをして、自分がいつも寝ているベットサイドの寝床へ移ろうと軽快にベットを飛び降りた。

「トシさん、おかえり」
「ただいま」

ういの前でだけいい顔しやがって。いい子を演じて移動したリンへの対抗心を悟られないように、平然と返事をして布団に潜り込むと動物の体温でそこは暖かくて心地の良いのがまた悔しかったので、リンに見せつけてやろうとそっとういを抱き寄せるとすっぽりと腕に収まる。俺の胸にういが顔を埋めるとリンが小さく唸った音が聞こえた。



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