リビングのソファがソファベッドだからと私はソファベッド寝た。夕食は作ってもらったから、朝食は私が作ろうと思ったけど、起こされた時にはもう完成していた。

「先生、お母さんみたい」
「高杉だろうが。家追い出すぞ。顔洗ってこい、横のタオル使っていいからな」

はーいと返事しながら洗面所で顔を洗い、リビングに戻ると本当によく出来た朝食が机を埋めていた。先に食べ始めている高杉さんの前に座り、バターたっぷりの所にお好みでイチゴジャムが乗せられるようになっていたので、好きなだけイチゴジャムを乗せてトーストを食べる。絶対いいパン使ってる。美味しい。

「今日は買い出し行くぞ」
「買い出しですか?」
「今日もう1泊してくだろ。歯ブラシとか使いたいシャンプーとかあるだろ」

確かに昨日はザッとシャワーを浴びさせてもらっただけだし、お泊まりセットはいつもホテルのを使って困ったことは無かったから、手持ちにはない。

「けど、それくらいコンビニで買ってきますよ」
「俺も自分の家で買い揃えたいものがあってな。たまたま今日明日とまとまった休みだったから行こうと思ってたからついでだ」
「それならいいですけど。久々のまとまった休みにお邪魔してすみません」
「んなの気にすんな」

そう言って朝食を食べ終えた高杉さんは上杉も早く食べろと言われ、止まっていた手を進めた。私が食器洗いを勝手でて、それぞれ出かける準備が出来て、家を出た。地下の駐車場で助手席に乗り込もうとしたら上杉は後ろだと言われた。助手席の扉を閉めて後部座席に座るとフロントミラー越しに高杉さんが人差し指を下に向けた。その意図がわからず首を捻る私に笑った高杉さんは隠れろと言った。

「学校の奴らに見られたらどうすんだ」
「なるほど」

私は後部座席に寝そべるようにして、隠れた。隠れられているか微妙だが、車は発進したからいいだろう。

「遠くのアウトレットまで行く予定だから高速乗るまでそうしてろ」
「はーい」

そう返事をしてから車の揺れが気持ち良くて、いつの間にか寝てしまっていた。起きたらもう高速に乗っていてミラー越しに高杉さんと目が合った。

「起きたか。シートベルトしろよ」
「はい」
「よく寝てたな。今、高速乗ったばっかだから停まってほしかったら言えよ」
「ああ、飲み物欲しいです。道中長いんですもんね」
「そうだな、買っとくか。次のサービスエリア停るわ」
「お願いしまーす」

サービスエリアに到着して、私が飲み物買ってきますよとコンビニに入り適当なお菓子も見繕って車に戻った。

「先生、お茶でいいですか? お菓子も」

もう近場に知ってる人もいないだろうと助手席に乗り込むとすごい眉間にシワの寄った先生と目が合った。

「お茶がお気に召しませんでした?」
「いい加減その先生やめないか?」
「だって、先生は先生じゃないですか。咄嗟に出ちゃうのは許してください」
「じゃあ、名前呼びは?」
「出来るわけないじゃないですか」
「敬語もなしでいいだろ、ダルいし。そういうの得意だろ援交娘」
「……そりゃ、希望する人にはしますけど」
「ほら、車そろそろ出すぞ。うい」
「ホスト怖っ」

車は発進し、30分ほど走らせアウトレットに到着した。遠出自体が久々で、久々に誰かと買い物をするのはすごく楽しかった。



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