*大学生設定

学校が終わり、今日の夕飯の買い出しを済ませる。家に卵が残ってるから、ウインナーと適当な野菜を買ってオムライスにしよう。そんな普通の事を考えながら、住み慣れた家に帰宅すると、きちんと並べられている男物のスポーツシューズがひとつ。来るなんて連絡はなかったから、多少驚きつつもリビングに入るとソファでうたた寝をしている景吾を見つけた。昼寝をしているなんて、よっぽど疲れているのか。

起こさないように気をつけながら、寝室に行き最近お気に入りの水色のルームウェアに着替える。景吾にかける紺のブランケットをもって、リビングに戻る。ブランケットをかけて、食材を片付ける。ほとんど空っぽに近い冷蔵庫を埋め終わっても景吾が起きる気配は一向にない。

昼寝をしているところなんて、見たことないから珍しくて寝ているソファに近づいて顔を近づけてまじまじと見てしまう。まつ毛が長くて、鼻が高くて、寝顔も綺麗。容姿端麗とはまさにこの事。見慣れている顔とはいえ近くで見るとまた違った風に見えドキドキしてしまう。彼氏様のお顔を堪能したところで、野菜の仕込みでもしようと立ち上がろうとした瞬間、景吾が目を覚ました。

「どうした? そんな顔近づけて」

鼻と鼻が触れそうな距離。……寝起きが悪ければ誤魔化せられただろうけど、こう寝起きが良いのも問題だ。言い逃れが出来ない距離にたじろいでしまった。

「寝込みでも襲おうと思ったか?」
「ちがっ! 昼寝してるのなんて珍しいからちょっと観察を……」

きっと私の頬は真っ赤でそれを意地の悪そうな顔で見てくる景吾。

「観察ねぇ……。まぁ、そういう事にしておいてやるよ。夕飯一緒に食べようと思って。何かあるか?」

結局、景吾には適わないなぁ。こっちは顔の熱が冷めないままだというのに。来るなんて聞いてないから材料なんてないって言いたいけれど、それもまた言えずに買い出し一緒に行こう? と聞いてしまう私は相当景吾に惚れているのだと思う。

title:サディスティックアップル



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