なぜかあの後付き合う事になってしまった。左馬刻くん曰く私に好きな人がいないのならそれでいいらしい。俺様め。

そんなこんなで今私は、半強制的に半同棲見たいな生活を送っているのだが、とにかく不便だ。何が不便って今日見たいに左馬刻くんの家でMTCの話し合いをする時は、リビングに来るなって言われている。何で? って聞いたら紹介するのが面倒だからだとかなんとか。

一応左馬刻くんの彼女であり、昔からよーく知ってる左馬刻くんに一緒に戦える仲間がいるのなら、挨拶くらいはしたいんだけどなぁ。というかものすごくお腹が空いた。昼前には終わるって言ってたのに、時計を見るともう13時。今日は朝ご飯を食べれずじまいなので、そろそろ限界だ。

うん。時間守らない方が悪いよね! 私は部屋の扉を開けリビングへと向かう。リビングの扉を開けると3人の視線が集まる。左馬刻くんの視線が怖い……。

「どなたですか?」
「あぁ、めんどくせぇ。出てくんなって言ったろ」
「だってお腹空いたんだもん。そっちが時間守らない方がいけないんだからね」

私の事を不思議そうな顔で見ている2人。そうだよね、私の事知らないからそうなるよね。

「初めまして。上杉ういといいます。えっと、左馬刻くんの彼女? です」
「疑問形なのが気になりますが……。初めまして。上杉さん。入間銃兎といいます」
「毒島メイソン理鶯だ。よろしく」
「いい加減認めろよ。ちゃんと彼女だろ」

左馬刻くんの不機嫌がMAXになってしまった。けど、もう会っちゃったもんはしょうがないもんねぇ。さて、ご飯でも作ろうかな。

「お2人はお腹空いてないですか? ある物で良ければお作りしますよ。左馬刻くんもいるよね?」
「左馬刻の彼女の手料理が食べられる機会なんてそうそう無いでしょうしいただきましょうかね」
「小官も馳走になりたいな」
「おい、うい」

きっと続くのは文句の言葉だろう。はいはい、左馬刻くんもお腹空いてるよねーと軽く流すと舌打ちは聞こえたものの静かになってくれた。冷蔵庫を覗いて食材を確認して、作り始めると理鶯さんがキッチンにやってきた。

「何か手伝うことはあるだろうか?」
「お客様なので座ってて大丈夫ですよ」
「そうか……」

短く返事をした理鶯さんだが、そこから動こうとしない。作っているものは手伝ってもらうような手間をかけている料理でもないので、テーブルセッティングをしてもらう事にした。料理も出来上がりお皿によそう。それぞれ食べ始めたのだがあまり左馬刻くん以外の人に料理を振る舞うことがないので、ちょっと緊張。

「お口に合いますか?」
「とても美味しいですよ」
「美味しいぞ。今度小官の料理も馳走になってくれ」

それはぜひ、と返すとすかさず左馬刻くんが耳元で止めとけと言う。入間さんを見ると何かを察しているのか小さく頷いている。……あまり美味しくないとかそういう事なのかな。それ以上深く突っ込むことはしなかった。

「左馬刻くんは美味しい?」
「美味い」

そう言って頭を撫でられる。人前だから恥ずかしいんだけどと言いたいけど、その言葉を飲み込む。大人しく撫でられていた方がまだいい気がして。

「お前ら2人以外にも人がいるの忘れてないか?」
「ああ? んなもん、わかってるよ」
「人前でイチャつくなよ。他所でやれ」
「可愛いういが美味い料理作ってくれたんだ。これくらい当然だろ」

余計恥ずかしさが増してしまった。だから、突っつきたくなかったんだよ。入間さんのバカ。

「左馬刻、案外彼女バカなんだな」
「うるせー」

ほんと左馬刻くんは、外でも構わずにこういう事をして来るから心臓が持たない。きっと彼女としてはとても幸せな事なのだろうけれども。これからも一途な彼の元で愛されていくのだろうと私もかなりの彼氏バカなのだろう。

Inspiration:確かに恋だった



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -