あれから連絡先も交換して、何回か遊びに行った。私は左馬刻さんの事が好きなのか。そう問われたら、気になっている人には入るのかもしれない。その証拠に今日の夜も飲みに行けることが楽しみなのは確かなのだ。
夜、駅で待ち合わせをしていつもの様に左馬刻さんの後を着いていく。着いた先は雰囲気が良さげのバー。お店に入ると予約をしてあったのか奥のローテーブルにソファが置いてある個室に通される。お互いに座って好きなお酒を注文した。
「最近、愛ちゃんに左馬刻さんと付き合ってるの?って聞かれちゃいましたよ」
「何て返事したんだ?」
「ただの友達だよって」
「友達ねぇ」
少し不服そうな表情をしたのは気のせいだろうか。先程注文したお酒が運ばれてきてしまいすぐにその表情は消えてしまった。……私の見間違いだったのかな。
「なぁ、俺は今もデートのつもりなんだが俺と付き合うつもりはないのか?」
「え、えーと、気になる人ではあるんですけとど私が左馬刻さんとお付き合いするって何か想像がつかないといいますか」
無表情の左馬刻さんはお酒に口をつける。これはいわゆる告白をされているのか。
「俺はういの事が好きなんだが、ういは違うのか?」
「私は」
じっと左馬刻さんに見つめられその迫力に圧倒されて言葉に詰まってしまう。
「私はその」
「俺がういの事が好きってだけじゃ、ダメか?」
あの左馬刻さんが私の事を好き。何だか夢のようで、頭が追いつかない。どうしようかと思っていると、左馬刻さんが席を立って私の横に座り、私を抱きしめた。突然のことに体が固まってしまう。次の瞬間私の耳元に左馬刻さんが口を寄せた。
「好きだ、うい」
低く耳元で囁かれ、抱きしめられている腕に少し力を込められる。その様子にどこか嬉しくなってしまっている自分がいた。ああ、私は左馬刻さんの事が好きなんだ。私も恐る恐る背中に手を回すと返事は? と聞かれる。
「私も、好きです。これからよろしくお願いします」
「ああ」
体が離れたと思ったら、唇を奪われてしまった。これから左馬刻さんとどんな時間を送れるのか。そう、考えるだけで胸が高鳴った。
Inspiration:確かに恋だった