大学に入って、やはりお金が必要になってくる。男遊びはしているものの援交とかしているわけではないので、普通にお金が無い。高校の時から続けている飲食店のバイトでは到底賄えなくて新しく掛け持ちできるバイト先を探していた。相談する相手が悪いのはわかっているが、勧められるのはキャバクラ。けれど、特に男の人相手に接客をしてお金を取るのは向いてないような気がした。あと、銀ちゃんに必死にそれだけは止めてくれと言われた。

食堂でアルバイトの情報誌を見ながら銀ちゃんとお昼ご飯を食べていると、男の人2人組に隣空いてるか? と聞かれ、どうぞと答えてから顔を見ると同じ学部の高杉くんと土方くんだった。隣に座った土方くんに警戒心バリバリの銀ちゃんを面白く見ていると、手元の情報誌を土方くんが覗いてきた。

「バイト探してるのか?」
「うん。ひとり暮らしだし親もそろそろ当てにならないし稼がないとなぁって」

そう言うと土方くんと高杉くんが目を合わせてから、2人とも鞄から小さい厚めの紙と高杉くんは一緒にチラシサイズの紙を出してきた。小さい紙は名刺で土方くんの名刺は黒背景に金文字でトシと書かれていて、高杉くんの名刺には薄紫色の背景に白文字でシンと書かれていて、どちらもあとは連絡先が書かれている。

「2人ともホストで働いてるの?」
「ああ」
「なんか高杉くんはイメージ出来るけど、土方くんは意外かも」
「因みに俺はNo.1、土方はNo.2」
「へぇー、すごいね。それでそっちのチラシは?」

斜め向かいの高杉くんからチラシを受け取るとそこには、ボーイ募集の文字。今の話からの流れからして私にこの話を勧めようとしているのか。銀ちゃんが面白くなさそうに口を開いた。

「普通ボーイって男じゃね? こんなん女がやったら客から批判くらいそうだけど」
「けど、時給は文句ないよねぇ。1400円ってかなり魅力的だよ」
「まぁ、上杉さんが良ければだけど」

土方くんがご飯を食べながらどう? と聞いてくる。ちょっと女がやるには珍しいかもだけど、知り合いの2人がいるならいいかなぁ。そんな軽い気持ちで面接受けようかなと言うと、銀ちゃんがいきなり声を上げた。

「じゃあ、俺キャスト側で入店したい。募集してないの?」
「してるには、してるが。お前ら付き合ってるんじゃないのか?」
「高杉くんはそれは誤解だから。ただの幼馴染」
「俺はそう思ってないけど」
「ちょっと、そんな話こんなとこでやめてよ」
「深くは突っ込まねぇけどよ。じゃあ、2人とも店長に話通しておくよ」

高杉くんにお願いねと言って、私は食べ終わった食器を下げに立ち上がるといつも一緒についてくる銀ちゃんは俺は後から追うわと席に着いたままだった。そのまま私は1人で講義室に向かった。

後日、私も銀ちゃんも無事に面接を通り、ホストクラブで働くことになったのだ。



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