のんびりとした日曜日。珍しく私もトシさんも何もない休日。前日にどこかに出かけるのもいいねと話していたけれど、目が覚めればもう12時過ぎ。それにも関わらずトシさんはまだ布団の中で気持ちよさそうに眠っている。

普段、とても多忙な生活をしているから起こさずに寝かしてあげよう。まだ私も体を起こす気にはなれずに、トシさんと向かい合わせになる。改めて見るとカッコイイ顔してるよなぁ。そりゃあ、女子たちに人気なわけだ。けれど、こんなに近くでトシさんの寝顔を見れるのは私だけと考えると妙な優越感に浸ってしまう。

なんとなくキスをしたくなって、おでこにキスをするといきなりトシさんの腕が背中に回ってきて思い切り抱きしめられてしまった。

「お、起きてたの?」
「ちょっと前から」

驚きながらも聞くと、まだ眠そうな声でそう返ってきた。突然のトシさんの行動に意識を持ってかれてしまったが、ちょっと前の自分の行動を思い出して恥ずかしくなり顔に熱が集まる。幸い抱きしめられているので、真っ赤になった顔を見られることはないだろう。

「いきなりキスしてくるからびっくりした」
「ご、ごめん」
「謝るなよ。ういからキスしてくるなんて滅多にないからな」

髪を撫でながらそう言われ、とても心地がいい。まだ少し睡魔が残っている体はもう1度このまま寝てしまいそうだ。けれども、折角の休日を寝て過ごしてしまうのもいかがなものかと瞼を開ける。

「したいなって思ったから……。それよりさ、起きたんだったらどこか」

行こうよと続けようとしたら、トシさんの唇に口を塞がれてしまった。楽しそうにトシさんの舌が私の口内を弄ぶ。しばらくして満足したのか離れてく唇が惜しくて、次は私から唇を塞いでやった。びっくりしてる様子のトシさんがおもしろくなってしまい、もっと深く口付けをして、唇を離すと体制を変えられてトシさんの顔が上にある。

「あんまり寝起きに煽るなよ」
「そんなつもり」
「俺はこういうのに弱いんだ」

もしかしなくてもスイッチを入れてしまったみたいで、話題を逸らそうとどこか出かけません? と言ってみたけれど、それは今度なとまた深い口付けが始まるのだ

title:サディスティックアップル



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