「海月さーん」

可愛らしい花柄のワンピースを纏った童顔の女の子がソファに座っていた俺の上に跨ってきた。柔らかい太ももに意識がいってしまいそうになりながらも、軽く身を引いて彼女と距離を取ると、それが不満なのか顔を追いかけるように近づけてきた。

「そうやってオジサンを誘惑しちゃダメだよ」
「だって海月さんのこと好きなんだもん」
「それは嬉しいけど俺がういちゃんに手出したら犯罪だからねー」
「もう犯罪じゃないよ! 三日前に二十歳になったよ」

さらに顔を近づけてくるので、肩を押さえてそれ以上近づけないようにすると悲しそうな顔になる。無理に突っぱねても可哀想だしだからと言って応えるわけにもいかない。じゃあ、突っぱねた方がいいのかって。そんな考えがループする。

視線を合わせると不敵に口元が歪んだういちゃんの唇が俺の口を塞いだ。一瞬の隙をつかれてしまった俺は咄嗟に離れることも出来なくて、何歳もの年下の女に翻弄されるのだ。



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