「大特価サービスだよー! 今ここに失恋中のイケメンがいるよー! 付け込むなら今のうち!」

生徒会室でいつもなら偉そうに会長椅子に腰をかけてる人が振られたとかなんとかでソファで項垂れている。これは傑作だと私は携帯で写メを撮る。みるからに相当な痛手だったようで。なにせ、さっきから会長からしたら屈辱的なことをされているのに一切言い返してこないし、抵抗もしてこない。それにしてもいい写メが手に入ったものだ。いくらで売ろうかな。

「……何で振られたんだ」
「簡潔に言おう。会長のことが嫌いだったんだよ」

これは私の予想だがきっと『ごめんなさい。私、跡部さんの事あまり……。苦手なんです! すみません!』とか言って断られたのだろう。ぐったりとしながらも私のモノマネを見ていた会長。顔が笑ってる。こんな脱力している会長ってすごくレアなんじゃ。携帯カメラを向けて、写メをもう一枚。

「大体合ってるんだが。……思い出しちまっただろうが」

そう言って身重くソファに埋まる会長。なんか張り合いなくてつまんなくなってきたな。

「会長すみません。私、会長が好きだった人が会長の事苦手って知っていたんです」

1年の時にクラスが一緒で普通に話す程度だったけど、あの入学式のときの会長への歓声振りやあの派手さに彼女は引いていた。

「あの子の事を話す会長があまりにも楽しそうだったので言い出せませんでした」

自分で知った方がいいとも思ったから。会長の事が好きな人もいれば嫌いな人もいる。物事には必ず逆があるのだ。

「今、言うか? 普通」
「すみません。……そうだ、会長。明日までの書類お願いしますね」

聞こえた深いため息。

「つまりは俺様に興味があるやつとそうでないやつがいるって事だな。お前がいい例だ」
「お褒めに預かり光栄です。でも、会長ならいい人見つかりますよ」
「励まされてる感じがしないのはなぜだ」
「私が会長に興味ないからです」



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