小説 | ナノ


 片想いふれーず



ふと瞬間に目で追ってしまったり、気付いたら視線を釘付けにしてたり、これを言いくるめると『恋』なんだろう。

「やけに目が合うな」
「そ、うだな」

それほど彼を見ている証拠。恥ずかしくなって視線を俯かせると、何も知らないジャックは「気分が悪いのか?」というものだから、思わず「この分からず屋」って叫びたくなる。
それから今度は少しふてくされてみれば、「おまえはおかしな奴だな」と笑われたので鼻をつまんでやった。

「誰のせいだと…」
「ん、何がだ」
「何でもない」

素っ気ない態度を示せば、ジャックは決まってわかっているかのように少し困った顔をして「悪かった」と頭を撫でてくる。
子供じゃないんだぞ、と言ってやりたくなるが、正直頭を撫でられるのは心地良いし、何より自分でも子供っぽいところがあるのを自覚しているので反論が出来ないのだ。

「じゃあまた昼休みにな」

そう言って教室を去っていくジャックを見つめて、昨日アキが音楽をかけていた時に流れていた一フレーズを小さく口にした。


『 貴 方 が す き よ 、 』

そうしたらジャックが振り返り、そのあとに続くフレーズを口パクした。

片想いふれーず
( 俺 も す き さ )
(それはどっちの意味で?)





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