小説 | ナノ


 チヨコレイト



ちゅ、て真っ赤な唇同士が重なる。
甘くて甘くて、綿菓子みたいで。
溶けてしまいそう。溶けたらなんだろう?

「す、き」
「オレもだ、十代」
「ヨハン、ヨハン」

互いに名前を呼び合う。
まるで存在を確かめ合うように。
目と目が火花を散らす。
頬に触れ、唇に触れ、キスを繰り返す。
甘いね、
甘いね。

「ヨハン、ヨハンっ」
「ん…?」
「どうしよう。お前が好き過ぎて、ぶっ壊れそう」
「いいぜ、壊れても」

そしたら何度でもオレが、直してやるから。なんて言ってみて。
この世界が二人だけなら良いのに。
もう何も要らないから。
大好き、心が何度も欲した。

「すき、好きだ。ヨハン」
「十代、オレも好きだ」

どうかお願い。神様。
このまま二人を溶けさせて。



チヨコレイト



(チョコレートみたいに)
(ドロドロと溶けてしまいたいの)



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -