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01




ピピピ、なんて陳腐な機械音が聞こえて私は脇に挟んだ体温計を抜いた。

37度8分。

・・・・完全に、風邪を引いてしまった。


「何度だったの?」


婦長が、体温計の音が聞こえたからか奥のカーテンから出てきて私の体温計を覗き込む。

そしてその数値を見るなり、顔を曇らせた。


「最近任務続きだったでしょう。疲れがたたったのよ。」


ため息が私に落とされる。

私は苦笑いするしかなかった。


「薬をあげるから、それを飲んで今日はゆっくりしなさい。」


のどや頭は痛くて少しふらふらするけれど、そこまできついわけでは無かった。

けれど、「えぇ・・・」なんて返事をしようものなら婦長の制裁が加わる恐れがあったので私は素直に「はい」と答えた。








部屋へ戻る道すがら、リナリーと出くわした。

手にもらった薬袋を持っていてそのことを聞かれたので私は正直に風邪を引いたと答えたらリナリーは心配そうな顔で大丈夫かと聞いてきた。


「そこまで心配するような風邪じゃないよ。」


と答え、お粥を持ってこようかというリナリーの嬉しい申し出をやんわりと断って部屋に戻り、眠った。





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