嗚呼、
「なんです、このぱっつん侍。」
「似非紳士」
「蕎麦男」
「若白髪」
「あなたの髪も白に染めましょうか。
根こそぎ抜いてブックマンあたりに売りつけてやります。」
「はっ、それより前にてめえがつるっぱげになってんだよ。」
朝っぱらからのケンカ。
二人の約10メートル以内には誰も寄り付かない。
私はまたやってるのかとか思いながら二人の間に割って入った。
「おはよう二人とも。」
「ちっ・・・またお前か。」
「おはようございます、なまえ。」
ああ、アレンの後ろどす黒い。
目、笑ってない。
神田は私の登場がわずらわしそうだ。
でもそんな二人を毎回とりなしてる私はこんなの別に負けないし。
「ここ、どこか知ってる?」
「・・・食堂だ。」
「・・・食堂、です。」
「だよね、そうだよね。回り見て御覧なさいよ、肩身せまそーにご飯ちびちび食べて。あーあ、可哀想可哀想なんだってねー朝っぱらから食堂の隅っこでご飯食べなきゃなんないんだかねー。ど真ん中でケンカする君ら本当に迷惑だよねー。
これから任務の人絶対いるって、もしかしたら最後の晩餐になるかもしんない一級の料理食べて任務行くのにねぇそれなのに君ら二人のせいでさ最後かもしれないおいしい料理、まずくなっちゃったよ。本当に可哀想だよ本当に毎朝毎朝さぁ繰り返されてるんだよその時間帯に居合わせる人って結構いると思うんだよねこの時間しか自分には食事の時間が無いって人も絶対いると思うよその人にとっちゃあ毎日のスタートのご飯がおいしくないんだから一日テンション下がりまくりだよしかもお昼も夕飯もなんかケンカ続く日とかあるしさぁもうどうしてくれんのこうやってぐちぐち言うのも段々疲れてきたよ君らもう本当にそっちはいいと思うけどこっちの気分は下がりまくり。
ねぇもう私頭絶対いかれてるでしょ、狂ってるでしょもう精神的にまいってるよ、そんなふうに私をしたの君らだからね覚えておいてよ。・・・ってことで外いけやオラ。」
「「・・・はい。」」
「よろしい。」
私はにっこりと笑顔で二人が外へ出て行くのを見送った。
嗚呼、
これでやっとご飯食べれる
(あいつだろ、一番に食事邪魔してんの)
(奇遇ですね、僕もそう思います。)
こんなときだけ意見が一致する二人。
prev next