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おいで




「雪男。」


「なに?」


「んふふ、なんでもな〜い。」


「そう・・・」


カリカリととまらずに雪男のシャーペンが動いてく。

さすが努力家秀才偉い人!

ただ少しはかまってほしいな〜なんて。

思う私は、雪男の名を呼んでは雪男を邪魔してしまってる。

本当は今は帰ってほしいだろう。

けれど帰らないのは少しでも一緒に居たいから。

くっついてられなくてもいいからただその声を聞きたいしその存在をきちんと認識したいのだ。


「雪男。」


「だから、何?」


「なんでもないよ。」


何度も何度も呼び続ければ雪男はふぅと力を抜くように息を吐いてこっちをみた。


「ちょっと休憩しようかな。なまえもきてることだし。」


「え、いいの!?」


「かまってほしそうにしてたのは誰?」


ぱあっと明るくなれば雪男は苦笑しながらそういった。

私はえへへといって、ごまかす。


「おいで。」


雪男は手を伸ばして私に最高級の優しい笑顔を見せた。


「うん!」


私はそんな雪男にきゅんとしながらも彼の胸に思い切りダイブした。





(かまってほしいならそういえばいいのに。)


(雪男が返事してくれるだけで満たされるからいいの。)


(もっと欲張ってよ。)


(え、何を?)


(たとえば、)


ちゅ、


(キスとか。)


(っ・・・・!!ば、ばか!)







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