01
黒のお城は周りを山に囲まれた盆地である。
城の兵力も半端なく、屈強な戦士たちがそろいにそろっているため魔王軍の魔物たちとも互角に渡り合えている。
そして兵士のほかにも酒場には各地からやってくる魔王と渡り合おうという者たちが集っていた。
その盆地にある黒のお城だが、険しい山はすべて標高8000m級の山なため超えるのは並みの登山家でも難しい。
その険しい山を越える術として黒のお城へやってくる旅人たちに用意されたのが山に穴を開け作られた"旅人のトンネル"だった。
旅人は皆ここを通る。
レイラもまた、旅人のトンネルを通ろうとしたのだが。
「えぇっ!?トンネルを通れないって!?」
レイラは驚愕した。
なぜならば洞窟のまえにたっている兵士(ハワード・リンク)からトンネルを通ってはいけないといわれたからだ。
その兵士はおでこにほくろが二つありきりりとしていた。
レイラは彼のほくろを気にしながら話を聞いた。
リ「今トンネルは非常に危ない状態です。通ることはできません。」
それが、兵士の説明だ。
せっかくはるばる(比較的近いが)やってきたというのに黒のお城へ行く手段がたたれるとは。
レイラはがっくりうなだれた。
しかしそんな兵士は意外とレイラにやさしかった。
リ「黒のお城へ行く道はほかにもありますが。」
「そ、それどこっ、どこなんです?」
兵士は先ほどまでうなだれていたレイラがいきなり自分に迫ってきたことに驚いた。
思わず体をのけぞらせながら説明をする。
リ「ここから北に旧道の地下トンネルがあります。
そこを通れば城へとつけますが、そこには、」
「あ、ありがとうございます!」
リ「あ、まだ説明の途中です!」
レイラは最後まで兵士の説明を聞かずに北へと向かってしまった。
リ「・・・あそこは、魔物の巣になってるというのに・・・大丈夫だろうか、あの人は。」
兵士はレイラの背中がものの数秒で見えなくなるのを見届けながら一人ごちた。