01
とにかく、神田の手当てを急ぐためレイラは"脱出魔法"を唱えて村へと戻った。
「おじいちゃん!神田手当てして!」
そういってブックマンのところへ駆け込んだときには神田に意識は無かった。
ブ「・・・!!どうしたというのだこの男!」
「私をかばって怪我したの!」
ラ「ジジィ手当てしてやってくれ!」
ブ「馬鹿モンわしはお前の祖父ではない!」
「そんなのどうだっていいから!」
ブックマンはひとつ咳払いをして神田の治療を始めた。
集中できないからと部屋から追い出されたレイラとラビは外へとでる。
そして家の前にある石段にそれぞれ腰掛けた。
ラ「大丈夫さ?」
「・・・・何が?」
ラ「レイラも怪我してんだろ。」
「これくらい、なんでもないよ。」
渇いた笑みを漏らすレイラは自責の念に苛まれているようだ。
ラビは彼女の肩に手をおいて「気にすんな。」といった。
「私、勇者でよかったのかな。」
ラ「なにいってるんさ。いいに決まってるさ。」
「だって、私勇者なのに守られてるんだよ?
勇者は仲間と一緒に戦って仲間を守るモンでしょ。
これじゃ私勇者じゃなくてお姫様じゃん。」
ラ「でもレイラは女の子さ〜。やっぱいざというとき守られんのはあたりまえだろ?」
「・・・・・・・・」
体育座りに座りなおしひざにあごを乗せたレイラ。
どうやら、納得いっていないポーズらしい。
「私、守ってもらわなくてもいいようにもっと強くなるから。」
ラ「・・・・・」
「で、みんな守るから。」
ラ「俺もユウも自分の身は自分で守るさ。」
「守るから!!!」
ラ「・・・わかった。でも無理すんなよ。
俺らがほんとにいざというときは守ってもらうさ。」
「・・・・・うん。」